エキゾチックショートヘア・ロングヘアの基礎情報
・日本語表記：エキゾチックショートヘア / エキゾチックロングヘア
・英語表記：Exotic shorthair / Exotic longhair
・原産地：アメリカ
・発生：自然発生
・毛種：短毛種・長毛種
・体格：コビー
・体重：オス3～5.5キログラム、メス3～5キログラム
・公認団体：CFA ・ TICA ・ FIFe ・ GCCF
エキゾチックショートヘア・ロングヘアの特徴・性格
エキゾチックは、短毛のショートヘアと長毛のロングヘアがいます。性格や特徴、ショートヘアとロングヘアの違いについて紹介します。
エキゾチックショートヘア・ロングヘアの特徴
エキゾチックは、アメリカンショートヘアとペルシャを交配することで誕生した猫種です。
エキゾチックは短毛のペルシャとも言われていて、顔はペルシャの特徴を受け継ぎ、被毛や模様はアメリカンショートヘアの特徴を持っています。
アメリカンショートヘアと交配したため、ペルシャよりも活発で、動くものを捕まえようとするハンターの習性を残しています。
エキゾチックショートヘア・ロングヘアの性格
エキゾチックは、穏やかで優しい性格をしています。
家族のことが大好きで、抱っこしてもらうことも好きな甘えん坊な猫です。
アメリカンショートヘアの気質を受け継いでいるせいか、飼い主さんに全面的に依存することは少ないです。そのため、飼い主さんの後を追いかけて離れないなどの分離不安や、ほかの猫が甘えていると嫉妬をするということはあまりありません。
ショートヘアとロングヘアの違い
エキゾチックは、短毛を「エキゾチックショートヘア」、長毛を「エキゾチックロングヘア」と呼ぶことがあります。
しかし、エキゾチックロングヘアに関しては、認定団体によって見解が異なっているため、エキゾチックという種類ではなく、ペルシャとして認定している団体もあります。
エキゾチックは、短毛種を確立するために繁殖が行われていましたが、現在も長毛の子が生まれることがしばしばあります。
エキゾチックは誕生の歴史が浅いこともあって、団体や専門家の間でも見解が異なっているため、短毛と長毛を合わせてエキゾチックとする場合もあります。
ショートヘアとロングヘアの違いは、外見では被毛の長さ、性格はロングヘアの方がややペルシャに近い気質を持っています。
ロングヘアは、運動の面においてもペルシャに似ていて、あまり活動的ではなく、高いところに登ることもあまり得意ではありません。
エキゾチックショートヘア・ロングヘアの毛色・目の色
アメリカンショートヘアは、たくさんのパターン（柄）がありますが、エキゾチックはその外見を受け継いでいるため、毛色とパターンともに種類が豊富です。
エキゾチックショートヘア・ロングヘアの毛色はブラック、ホワイト、チョコレート、シナモン、レッド、ブルー、ライラック、フォーン、クリームなどの色があります。
模様もアメリカンショートヘアの柄で最もポピュラーな、シルバーとブラックの縞模様（シルバータビー）もあります。
タビーのほかの模様では、単色のソリッド、シルバー＆ゴールデン、スモーク＆シェーディド、パーティカラー、キャリコ＆バイカラー、タビー＆ホワイト、顔や耳、手足、しっぽなど体の先端に色がついているポインテッドなど様々なパターンがあります。
目の色は、ブルー、ゴールド、グリーン、ヘーゼル、カッパー、左右で目の色が異なるオッドアイが見られます。
ショートヘアといっても短毛種の中では、やや長い被毛をしています。やわらかくふんわりとした手触りで、バリエーションに富んだ毛色があることも、アメリカンショートヘアの特徴を受け継いだエキゾチックの魅力です。
エキゾチックショートヘア・ロングヘアの鳴き声
エキゾチックは、とても温厚な性格をしているので、大きな声で鳴くことはほとんどありません。
穏やかで物静かな性格なので、鳴き声を聞くこともあまりないかもしれません。
飼い主さんと一緒にいることが好きで、猫じゃらしなどのおもちゃで激しく遊ぶよりも、抱っこをしてもらうことを好みます。
おっとりとした甘えん坊さんなので、飼い主さんにかまってほしいときには、「うんにゃ〜」という甘えた声で鳴くことがあるかもしれません。
飼い主さんに甘えているときは、エキゾチック独特のまん丸の可愛らしい目で、飼い主さんをジッと見つめたり、足元にスリッと体を擦りつけながら鳴いていると思います。
愛猫が甘えてきたときは、ぜひ声をかけて抱っこをしたり、優しくなでてあげてください。
エキゾチックショートヘア・ロングヘアの寿命・病気
エキゾチックの寿命は、10〜13歳と言われているため、猫の平均の15歳と比べるとやや短命です。
エキゾチックは、アメリカンショートヘアとペルシャを交配させているので、外見や性格の特徴だけではなく、アメリカンショートヘアとペルシャが発症しやすい病気になる確率が高いです。
肥満などに注意しながら健康管理を行って、気になる症状があるときは、早めに動物病院を受診するようにしてください。エキゾチックショートヘア・ロングヘアが発症しやすい病気を紹介します。
肥大型心筋症：心臓の筋肉が厚くなることで、心臓の働きが悪くなり、不整脈などを起こす疾患。
流涙病：涙焼けとも呼ばれています。涙が過剰に分泌される、炎症が起こっている、鼻涙管が狭いなどが原因で、いつも涙が溢れているため、目の下が赤茶色く変色してしてしまう疾患。
白内障：遺伝や糖尿病、外傷などが原因で目の中にある水晶体が白く濁ってしまう疾患。
行性網膜萎縮：網膜が萎縮することで正常に機能することができなくなる疾患。
眼瞼内反症：瞼やまつ毛が内側に反って眼球に触れることで、痛みなどを引き起こす疾患。
尿路結石：水分の不足、ビタミン摂取の偏り、先天性、ストレスが原因で発症すると考えられている泌尿器の疾患。
多発性嚢胞腎 ：腎臓に液体が溜まった袋状の嚢胞がたくさんできることで、腎機能が低下する疾患。
エキゾチックショートヘア・ロングヘアの飼い方
エキゾチックは、体の特徴から夏が苦手です。ペルシャに近い性質を持っているので、エキゾチックを飼育するときに、注意してほしいポイントを紹介します。
週に2回被毛の手入れをする
エキゾチックショートヘアは、被毛がやや長めの短毛種ですが、ペルシャのように毛がもつれないので、ブラッシングは週に2回ほど行えば問題ありません。
体を清潔に保つためにも、定期的なブラッシングとシャンプーは、子猫のころから行って慣れてもらいましょう。
温度管理を注意する
エキゾチックは、犬で例えるならパグやブルドッグのように、鼻がペチャっとしている短頭種になります。猫は犬のように大きな口を開けて、舌を出しながら「はぁはぁ」と呼吸をすることができません。
短頭種の猫は熱を発散することが難しいため、夏場は熱中症になりやすいです。
夏場は部屋の温度を、20〜28度に保てるように、エアコンなどを使用して温度を調整してください。
そして猫も夏は喉が渇くので、水をたくさん飲めるように、いつも新鮮な水をたっぷり入れてあげてください。
夏場は飲む量も多く、水分も蒸発するので、気が付いたら水がないということもありますので、朝と晩に必ず水があるか確認しましょう。
もしも、ぐったりしている、よだれを垂らしている、体が熱い、下痢や嘔吐、意識混濁などの症状があれば、すぐに獣医さんに診てもらってください。
健康管理をしっかり行う
短頭種は熱中症だけではなく、呼吸器の疾患、目の疾患、肥満になりやすいです。
エキゾチックは高いところに登ったり、走り回ったり、激しい遊びをすることが苦手です。
無理に運動をさせると、体に負担がかかるだけでなく、猫もストレスになってしまうので、猫じゃらしなどを使って楽しく遊んであげてください。
肥満は糖尿病や心臓の原因になりますので、太らないように注意しましょう。
エキゾチックショートヘア・ロングヘアの歴史
エキゾチックショートヘアは、1960年代にアメリカンショートヘアのブリーダーが、ペルシャのようなシルバーカラーの被毛とグリーンの目の色を出そうと、ペルシャと交配させたことが始まりです。
アメリカンショートヘアに、ペルシャの特徴が出現することを期待して交配が行われましたが、誕生した子猫はどこから見てもアメリカンショートヘアではありませんでした。
異種交配をしているうちに、アメリカンショートヘアではなくペルシャに近い猫が生まれるようになりました。
アメリカンショートヘアに似ていない子猫が生まれてブリーダーたちが嘆くなか、CFAの審査員のマーティンクは、1966年に新種として認定すればよいのではないかと提案しました。翌年にCFAはチャンピオンシップ・ステータスに認定しました。
エキゾチックショートへアの交配が進む中で、ペルシャとアメリカンショートヘアの純血を守ろうとするブリーダーもいましたが、新種の確立に尽力する人たちによって、種として確立できるようになりました。
1966にエキゾチックショートヘアとしてCFAで公認され、1987年にエキゾチックと改められました。
エキゾチックロングヘアはCFAで認定されていますが、TICAはペルシャとして認定しています。今後は、エキゾチックロングヘアも種として確立され、各団体から新種として認定されることが期待されます。
エキゾチックショートヘア・ロングヘアの値段価格
エキゾチックショートヘアは、ペットショップやブリーダーから入手できます。
ペットショップでは、エキゾチックショートヘアを見かけることが多いので、ロングヘアの子を家族に迎えたいという場合は、ブリーダーさんを探して相談してみてください。
エキゾチックショートヘア・ロングヘアは、いろいろな毛色やパターンがありますが、それによって値段が大きく変動するということは少ないようです。
エキゾチックショートヘアの価格は、ペットショップでは20〜30万円ほどが多いです。ブリーダーから迎える場合は、25〜40万円ほどが相場となっています。
ペットショップとブリーダーさんは、気になる子を抱っこさせてくれますので、出向いて実際に猫を見てみることをおすすめします。
優しく温厚で家族のことが大好きなエキゾチックショートヘア・ロングヘアは、小さなお子さんがいる家庭でもとても飼いやすい猫です。エキゾチックショートヘア・ロングヘアを飼いたいと思われた方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
