
オリエンタルショートヘア・ロングヘアの基礎情報
・日本語表記:オリエンタルショートヘア / オリエンタルロングヘア
・英語表記:Oriental shorthair / Oriental longhair
・原産地:イギリス / アメリカ
・発生:人為的発生 / 突然変異
・毛種:短毛種 / 長毛種
・体格:オリエンタル
・体重:オス3~5キログラム、メス3~4キログラム
・公認団体:CFA ・ TICA ・ FIFe ・ GCCF
オリエンタルショートヘア・ロングヘアの特徴・性格
オリエンタルは、短毛のショートヘアと長毛のロングヘアがいます。オリエンタルの性格や特徴、ショートヘアとロングヘアの違いについて紹介します。
オリエンタルショートヘア・ロングヘアの特徴
オリエンタルの先祖は、シャム猫(サイアミーズ)で、オリエンタルもスレンダーな外見からもシャム猫の面影が感じられます。
ボディは細くすらっとしていて、手足やしっぽも細く長いです。顔は逆三角形のくさび型で、耳はとても大きく、アーモンド型のぱっちりとした目が特徴です。
細身の体ではあるものの筋肉質なので、活発に動き回ります。被毛はなめらかな手触りで、毛色やパターン(柄)も多いことが特徴です。
オリエンタルショートヘア・ロングヘアの性格
オリエンタルは、シャム猫の気質を受け継いでいるので、とても甘えん坊で人懐っこい性格をしています。
穏やかで社交的なので、知らない人でも慣れてくると甘えるようになります。
飼い主さんにかまってもらうことが大好きなので、飼い主さんに鳴き声でアピールしたり、パソコンや読書などの作業に集中しているときでも、ちょっかいを出してくることがあります。
注目を集めることが好きなので、かまってもらえないと拗ねてしまいます。オリエンタルは、いつも飼い主さんのそばにいてくれるので、たくさんコミュニケーションを取るようにしましょう。
ショートヘアとロングヘアの違い
オリエンタルは、短毛のショートヘアと長毛のロングヘアがいます。ショートヘアとロングヘアは、被毛の長さ、原産国、発生の仕方の3つが大きく異なります。
オリエンタルショートヘアは、短毛種でイギリスで人為的に発生しました。オリエンタルロングヘアは、長毛種で原産国はアメリカ、突然変異のような形で発生しました。
ロングヘアは認められず排除されてきた期間がありましたが、ロングヘアもオリエンタルの長毛種バージョンとして認定する団体もあります。
ロングヘアの猫からショートヘアが生まれる、またはその逆でショートヘアからロングヘアが生まれることもあるため、1996年にCFAは被毛の長さで猫種を分けることをしなくなりました。
日本では、オリエンタルはオリエンタルショートヘアが多いので、ロングヘアは希少種で見かける機会も少ないです。

オリエンタルショートヘア・ロングヘアの毛色・目の色
オリエンタルは、毛色やパターン(柄)がとても豊富です。
毛色はブラック、ホワイト、チェスナット、シナモン、レッド、ブルー、ラベンダー、フォーン、クリームなどがあります。
チェスナットは栗のような茶色の毛色で、フォーンは小鹿のような色と表現されますが、黄色の色味が強い茶色のようなカラーです。
模様もソリッド、タビー、シルバー&ゴールデン、スモーク&シェーデッド、パーティカラー、キャリコ&バイカラー、タビー&ホワイト、ポインテッド、ポインテッド&ホワイトなど様々な種類があります。
目の色は、ブルーとグリーンが一般的ですが、左右で目の色が異なるオッドアイも見られます。イエローやゴールド、オレンジやカッパーなどの色は見られません。
オリエンタルショートヘアの毛色とパターンは、150種類以上あるといわれています。ショートヘアとロングヘアを合わせると、毛色とパターンの数は200種類以上になります。
この多彩なカラーとパターンは、オリエンタルの魅力のひとつです。
オリエンタルショートヘア・ロングヘアの鳴き声
オリエンタルの鳴き声の声質や大きさは個体差があります。おしゃべり好きな猫として知られているシャム猫(サイアミーズ)の気質を受け継いでいるためか、シャム猫にも負けない甘えん坊な猫です。
シャム猫は寂しがり屋でよく鳴く猫種として有名ですが、オリエンタルも飼い主さんに話しかけるようによく鳴きます。
名前を読んだり声をかけると返事をするかのように、「にゃ〜ん」「にゃ」と鳴きます。声の質や大きさは猫によって違うので、小さい声で鳴く子もいますが、腹の底から声を出しているような大声で鳴く子もいます。
オリエンタルは、飼い主さんにかまってもらうことが大好きな猫です。注目してほしくて一生懸命に鳴いたりすることがあるので、寂しい思いをしてしまわないように、抱っこをしたり一緒に遊んであげてください。
オリエンタルショートヘア・ロングヘアの寿命・病気
オリエンタルの寿命は、13〜15年なので、猫の平均的な寿命と言えそうです。
オリエンタルが発症しやすい疾患を紹介します。
進行性網膜萎縮:網膜が萎縮することで、正常に機能することができず、視力が徐々に低下して、最終的には失明する可能性のある遺伝性の疾患。
糖尿病:膵臓から分泌されるインスリンが不足することで、血糖値が高くなる疾患。
大動脈弁狭窄症:心臓の左心室と大動脈をつなぐ大動脈弁が狭くなることで、血液の流れが悪くなる心臓の疾患。
知覚過敏症候群:ストレスなどが原因と考えられている疾患で、体に触ると過剰に反応して、叫ぶ、急に走り出す、ぴくぴくと痙攣するような動きをする、体を異常に舐めたり噛むなどの症状を起こします。
リンパ腫:白血球の一種のリンパ球が癌化する疾患。猫白血病ウイルス、猫エイズウイルスなどに感染した猫、高齢猫の発症が多い疾患です。
アミロイドーシス:アミロイドというたんぱく質が、臓器の隙間にたまることで、臓器が機能不全を起こす疾患。
猫に好発するアミロイドーシスは、アミロイドが腎臓に沈着した腎アミロイドーシス、肝臓に沈着した肝アミロイドーシスです。腎アミロイドーシスは、食欲の低下、多飲多尿、痩せる、無気力、嘔吐などの症状が起こります。

オリエンタルショートヘア・ロングヘアの飼い方
オリエンタルは、シャム猫に負けず甘えん坊な性格をしています。孤独を嫌うため、寂しい思いをしてしまわないように注意しましょう。
愛情をたくさん注いであげられる人向き
オリエンタルは、人懐っこい性格で甘え上手、飼い主さんのことが何よりも大好きな猫です。オリエンタルの飼育は、甘えん坊な性格の猫が好きな人、猫と遊ぶことが好きな人、一緒にたくさんの時間を過ごせる人に向いています。
子どもや犬がいる家庭でも飼えますが、かまってもらえないと大きな声を出したり、飼い主さんの後を追いかけ回すなどの行動に出ることがあるので、たくさん愛情を注いであげてください。
とても寂しがり屋で依存心が強い猫なので、家を留守にする時間が長いとストレスになってしまいます。オリエンタルが好発しやすい知覚過敏症候群は、ストレスが原因ともいわれているので、留守が多い家庭ならば、多頭飼いも検討してみてください。
寂しい思いをしてしまうと、食欲不振や下痢、物を破壊する、大きな声を出すなどの問題行動を起こすこともあるので、ストレスの軽減ができるように工夫してみてください。
運動できるように環境を整える
オリエンタルは、すらっとした細身の体型をしていますが、筋肉質で活動的な猫です。
運動も好きで遊ぶことも大好きなので、キャットタワーを設置してあげましょう。走ったりすることもあるので、できるだけ自由にのびのびと動けるスペースを確保してあげてください。
ブラッシングは適度に行う
オリエンタルショートヘアは、短毛ですが美しい被毛を維持するためにも、ブラッシングは1週間に3〜4回ほど行うようにして、シャンプーも月に1回は行いましょう。
コミュニケーションを兼ねて、子猫のころからブラッシングをする習慣をつけておくことをおすすめします。シャンプーも子猫のころは、浅い桶などにお湯を入れて、溺れないように気を付けながら、少しずつ水に慣れてもらいましょう。

オリエンタルショートヘア・ロングヘアの歴史
オリエンタルは外見からも想像できるように、先祖は月のダイアモンドとも称えられているシャム猫(サイアミーズ)です。
シャム猫はさまざまな猫種の誕生に貢献していて、シャム猫との交配で生み出された猫種はたくさんいますが、オリエンタルもそのひとつです。
シャム猫は、毛色は限定された一部のカラーのみで、パターンもポインテッドのみが認められています。しかし、元は様々な毛色やパターンがありましたが、品種改良の段階で減少していきました。
1950年代にポイントのない白いシャム猫を目指して交配が行われました。その結果、カラーの豊富なシャム猫が誕生して、新種のオリエンタルとして、1977年にCFAで公認されました。
その後、1970年代後半のアメリカでは、オリエンタルショートヘアとバリニーズとの交配による突然変異で、長毛のオリエンタルが誕生しました。
アメリカでは、TICAが1985年に、1988年にCFAがロングヘアを猫種として公認しました。しかし、CFAは1996年に、オリエンタルショートヘアとオリエンタルトングヘアを同じ種類の猫であると定めました。
オリエンタルショートヘアは、CFA ・ TICA ・ FIFe ・ GCCFの団体で認定されていますが、オリエンタルロングヘアはTICA ・ FIFeのみの公認となっています。
被毛の長さの違いによるだけの同種としている団体もあるため、ショートヘアとロングヘアをまとめて、オリエンタルという猫種で呼ばれていることも多いです。
オリエンタルショートヘア・ロングヘアの値段価格
オリエンタルショートヘアは、ペットショップやブリーダーから入手できます。
オリエンタルショートヘアの価格は、ペットショップでは約30万円です。ブリーダーから迎える場合は、15〜20万円ほどが相場となっています。
オリエンタルロングヘアは、ペットショップとブリーダーともに、売り出しを見かけることがほとんどない希少種です。オリエンタルロングヘアの子を家族に迎えたいときは、イベントなどに参加して、実際に猫を見てスタッフの方に話を聞くことをおすすめします。
オリエンタルショートヘア、オリエンタルロングヘアは、どちらの猫種も日本では知名度が低く、珍しい猫なのでブリーダーをネットで調べても見つからないことが多いです。
オリエンタルは、被毛の色やパターン(柄)がとても多いことが魅力ですが、気に入った毛色や柄の子に出会うことは難しいかもしれません。自分が気に入っている毛色や柄のオリエンタルを飼いたいという場合は、海外から輸入することになるかもしれません。
飼い主さんのことが大好きで甘え上手なオリエンタルは、家族をいつも癒してくれる魅力たっぷりの猫です。オリエンタルショートヘア・ロングヘアを飼いたいと思われた方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。