ピーターボールドの基礎情報
・日本語表記:ピーターボールド
・英語表記:Peterbald
・原産地:ロシア
・発生:人為的発生
・毛種:無毛種
・体格:オリエンタル
・体重:オス3~6キログラム、メス2.5~4.5キログラム
・公認団体:TICA ・ FIFe
ピーターボールドの性格・特徴
ピーターボールドは、無毛種のドンスコイと、オリエンタルショートヘアを交配させることで、新たに誕生した猫種です。
ピーターボールドの性格や特徴、ピーターボールドのように被毛がほとんど生えていない猫種を紹介します。
ピーターボールドの性格
ピーターボールドは、陽気で愛情深い性格をしていて、飼い主さんの傍で過ごすことが大好きです。
知的で好奇心が旺盛なピーターボールドは、活発でよく遊びます。とても友好的で、社交性も高いためほかの犬や猫ともすぐに仲良くできます。
とても人懐っこく、飼い主さんが出かけるときは玄関まで見送り、帰ってきたときには玄関まで出迎えてくれる犬のようなところがあります。
また、飼い主さんが椅子に座ると膝に乗って、飼い主さんが眠るときはベッドにやってくるなど、どこにでもついて来る可愛らしいところがあります。
飼い主さんへの依存心がやや強く、寂しがり屋で留守番が苦手といわれることがありますが、これもピーターボールドの愛らしい性格のひとつです。
血統公認団体のTICAによると、ピーターボールドは飼い主さんといつも時間を共にして、人生の光になってくれる存在だということです。
ピーターボールドの特徴
ピーターボールドは、なんといっても被毛がほとんど生えていない無毛が特徴です。
スレンダーですが、引き締まった筋肉質な身体をしています。
体重はオスでは6キロになることもあるため、中型ですがほかの猫よりも重たく感じられるかもしれません。
大きな耳も特徴で、顔は逆三角形の小顔です。目はぱっちりとしていて、顔の愛らしさを際立たせています。
被毛がないほかの猫種
被毛がほとんど生えていない無毛種は、とても珍しいと思われるかもしれませんが、無毛種の猫はいくつか存在しています。
被毛がほとんど生えていないのは、ロシアが原産のドンスコイ(ドンスフィンクス)と、ピーターボールド、スフィンクス、バンビーノなどの猫種です。
ほとんど被毛が生えていないところは共通していますが、スフィンクスの無毛は劣性遺伝で、ドンスコイの無毛は優性遺伝であるため、遺伝的な関連はありません。
ドンスコイは、優性遺伝であるため、無毛の子猫が生まれる確率が高いです。
ピーターボールドやバンビーノは、ドンスコイとほかの猫種を交配させることで誕生した新種であるため、どちらもドンスコイの遺伝子を受け継いでいます。
ピーターボールドの毛色・目の色
ピーターボールドは、被毛というよりは皮膚の色になりますが、ブラック、チョコレート、フォーン、ライラックなどのカラーがあります。
ピーターボールドは一口に無毛といっても、3つのタイプがあります。
被毛が全く生えていないウルトラボールド、90%が無毛のフロックド、70%が無毛のベロアに分類されます。
ピーターボールドの被毛は、年齢を重ねるごとに抜け落ちることがあります。目の色はイエロー、ヘーゼルなどがあります。
ピーターボールドの鳴き声
ピーターボールドは、オリエンタルの遺伝子も受け継いでいるため、声は大きくありませんがよく鳴きます。
オリエンタルは、おしゃべり好きな猫として知られている、シャム猫(サイアミーズ)の気質を受け継いでいることもあって、飼い主さんが声をかけると返事をする子も多いです。
ピーターボールドは、高い声で鳴き、飼い主さんと話をするように鳴きます。
名前を読んだり声をかけると、「にゃ〜ん」「にゃ」と返事をしてくれるかもしれません。
声の質や大きさは猫によって違うので、小さい声で鳴く子もいますが、腹の底から声を出しているような大声で鳴く子もいます。
ピーターボールドは、甘えん坊で注目されることも好きな猫なので、飼い主さんからの反応がないと鳴き続けることもあるかもしれません。
また、寂しい思いをしてしまうと、食欲不振や下痢、物を破壊する、大きな声を出すなどの問題行動を起こすこともあるので、コミュニケーションはしっかり取りましょう。
ピーターボールドの寿命・病気
ピーターボールドの寿命は、統計を取っている段階ですが、14〜15歳くらいだと考えられています。
ピーターボールドは、ほかの無毛種と同じように、皮膚の疾患を発症するリスクが高いため、お手入れはしっかりと行っていきましょう。
脂漏性皮膚炎(マラセチア皮膚炎):皮膚が脂っぽくべたっとする皮膚疾患。獣医さんの診察を受けてから、薬やシャンプーによって、症状を改善するための治療が行われます。
日光皮膚炎:紫外線を受けることで、耳や鼻などの皮膚が薄い部分が赤くなる、毛が抜けるなどの症状を起こす皮膚疾患。
日光皮膚炎は人でいうと日焼けで、紫外線が原因のため、日光を浴びすぎないように注意が必要です。猫は日向ぼっこが好きなので、完全に締め切ってしまうのではなく、レースカーテンやUVカットのシートを貼るなどして対策をしてください。
特に夏の紫外線に弱いため、強い日差しを浴びすぎてしまうと、皮膚癌になることもあります。
ピーターボールドの飼い方
ピーターボールドは、飼い主さんに対する依存心がやや強く、甘えん坊で寂しがり屋な性格です。
よく遊ぶ猫なので、コミュニケーションの一環として、飼い主さんも一緒に遊んであげましょう。
愛情をたくさん注いであげられる人向き
ピーターボールドは、人懐っこく甘え上手で、飼い主さんのことが大好きな猫です。
ピーターボールドの飼育は、甘えん坊な性格の猫が好きな人、猫と遊ぶことが好きな人、猫と一緒にたくさんの時間を過ごせる人に向いています。
とても寂しがり屋でやや依存心が強い猫なので、1匹での留守番が苦手です。
家族全員の注目を一身に集めたいタイプの猫なので、たくさん愛情を注いであげましょう。
飼い主さんと一緒に遊んだり、膝に乗ることも好きなので、コミュニケーションをしっかりと取っていきましょう。
冬場の温度管理と紫外線対策をする
寒いロシア出身のピーターボールドですが、被毛がほとんど生えていないため、寒い冬が苦手です。
猫は夏場20〜28℃、冬場は23℃が適温だといわれているので、外の気温によって室内の温度を調整してあげてください。
またピーターボールドは、被毛によって紫外線の量を軽減することができないため、皮膚に浴びる紫外線の量が多いです。
そのため寒さ対策や紫外線対策として、猫用の洋服を着せることをおすすめします。
しかし、服の感触が苦手で嫌がってしまうこともありますので、無理に着せる必要はありません。
紫外線の対策としては、レースカーテンを閉めること、UVカットのシートを貼るなどの方法もありますので、飼い主さんができる対策を試してみてください。
被毛のお手入れは濡らしたタオルを使用する
無毛種はしわに汚れが溜まりやすく、皮膚の疾患になりやすいです。被毛がないため、ブラッシングは必要ありませんが、皮膚のお手入れは重要です。
皮膚を清潔に保つためにも、週に数回は濡らしたタオル(蒸しタオル)などを使用して、体を拭いてあげてください。
シャンプーも月に1回ほど行いましょう。また歯の病気を予防するためにも、歯磨きも定期的にしましょう。
ピーターボールドの歴史
ピーターボールドは、ロシアのサンクトペテルブルクのブリーダーのミノロアさんが、オリエンタルとスフィンクスを交配させて、新たに誕生した猫種です。
このときに4匹の子猫が産まれ、その中のノクターンというオス猫が、ピーターボールドの基礎となりました。
ピーターボールドは、1996年にロシアのSFFに公認され、2005年にチャンピオンシップ・ブリード・ステータスに認定されました。
1997年にTICAに予備登録され、2005年に新種として公認されました。
ピーターボールドは、新種として公認されてから歴史が浅く、遺伝子の疾患などを防ぐためにも、異種交配が行われています。
そのため、ドンスコイやオリエンタル、シャム猫(サイアミーズ)との交配が、今日でも行われています。しかし、スフィンクスとの異種交配は行われていません。
ピーターボールドは、日本でも名前がほとんど知られていない珍しい猫種ですが、無毛種のスフィンクスのように、これから人々から愛される猫種となることが期待されます。
ピーターボールドの値段価格
ピーターボールドは、日本で入手することは非常に困難です。
ペットショップで見かけることはほとんどなく、ピーターボールド専門のブリーダーもいないようです。
そのため、ピーターボールドを飼いたいと思われた場合は、海外から輸入するか、保護された猫を引き取るという方法になります。
海外から輸入する場合は、ピーターボールドの価格と、飛行機などの輸送の費用が必要です。
さらに業者の仲介手数料なども必要になるので、50〜60万円以上は必要であると考えた方がよいでしょう。
珍しい猫種でも海外のブリーダーさんと交渉して、輸入してくれるブリーダーもいます。
英語力や輸入の経験がないと不安になることも多いと思いますので、まずは信頼できるブリーダーさんに相談してみてください。
陽気で活発なピーターボールドは、無毛の外見だけではなく、性格も愛らしく家族になった瞬間から、たちまち虜になってしまうことでしょう。
ピーターボールドを飼いたいと思われた方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。