シンガプーラの基礎情報
・日本語表記:シンガプーラ
・英語表記:Singapura
・原産地:シンガポール
・発生:自然発生
・毛種:短毛種
・体格:セミコビー
・体重:オス2~3キログラム、メス2~3キログラム
・公認団体:CFA・TICA・GCCF
シンガプーラの性格・特徴
シンガプーラは、名前を見ると一目瞭然ですが、シンガポールが原産の猫です。愛情深く、ユーモアがあって、天使のように愛らしいシンガプーラの性格や特徴について紹介します。
シンガプーラの性格
シンガプーラは、とても大人しい性格の猫で、人が好きで甘えん坊です。
好奇心が旺盛なので、動くおもちゃで遊ぶことも好きです。
飼い主さんにちょっかいを出すこともあるので、パソコンで作業をしていると、注目してほしくてキーボードの上に載ってしまうことがあるかもしれません。
シンガプーラは、外交的な性格をしていますが、神経質で嫉妬深いところがあるため、ほかの猫がいるとやきもちを妬いてしまうことがあります。
飼い主さんの愛情をひとり占めしたいタイプなので、多頭飼いはあまりおすすめしません。
知らない人には警戒心を抱くことがあるので、お客さんが来たときには隠れてしまうかもしれません。
シンガプーラの特徴
シンガプーラは、セピア色の被毛が特徴で、とても小柄な猫です。
耳はピンと大きく立っていて、目はややつりあがったアーモンド型で、パッチリとしていて大きいです。顔は逆三角形ではなく、丸い形をしています。
小さい体ですが筋肉質で、足もがっちりしています。引き締まった体をしているので、活発で運動もできます。
細く小さい体を生かして、隙間に入ったり、高いところに登ることも得意です。
世界最小の猫
シンガプーラは、猫種の公認団体であるCFAが公認している純血の猫で、世界最小の猫種です。
シンガプーラは、成猫のオスでも2〜3キロほどの小さな猫です。
猫の平均の体重は3.5〜5キログラムで、大型の猫では7〜8キロになる猫種もいるため、シンガプーラはかなりサイズが小さい猫と言えます。
シンガプーラの毛色・目の色
シンガプーラの毛色は、セーブル(セピア)のみです。
パターン(柄)もティックド・タビーのみです。ティックド・タビーは、1本の毛で色の濃さが異なる被毛のことで、先端の毛が最も濃くなっています。
毛色も模様も1つしかないので、シンガプーラは「セピアアグーティ」という毛色で表記されます。
シンガプーラは、ティッキング(ティックド・タビー)という、1本の毛の中に濃さの違う色が入っています。そのため、セピア色のみでも、背中やしっぽの毛の色が濃く見えるため、体にグラデーションが入っているように見えます。
被毛は光が当たると、キラキラと光って見えるので、とても美しいです。とてもかわいらしい外見なので、「妖精」と呼ばれることもあります。
シンガプーラはほかの猫種のように、バリエーションに富んだ毛色やパターンはありません。
しかし、シンガプーラといえば「セピア色の被毛」とイメージされるため、この毛色はシンガプーラの特徴、そして魅力です。
目の色は、イエロー、グリーン、ヘーゼルの3色です。青色や赤っぽい色、瞳の色が左右で異なるオッドアイの子はいません。
シンガプーラの鳴き声
シンガプーラは、大人しい性格の猫なので、鳴き声も大きくありません。
ほとんど鳴かない猫だと言われているので、集合住宅でも飼いやすい猫です。
飼い主さんのことをよく見ている猫なので、「かわいい」「ごはん」「いい子だね」などの単語は覚えることができます。
シンガプーラは、甘えん坊で飼い主さんのことが大好きな猫です。そのため、かまってもらえずに寂しい思いをしていると、ストレスから大きな声で鳴くこともあります。
愛猫が甘えてきたときには、飼い主さんからもできるだけ積極的に、コミュニケーションをとってあげましょう。
「にゃ」っと短く鳴いているときは、「やぁ」「どうも!」というような挨拶になるので、飼い主さんも挨拶をしてあげてください。
シンガプーラの寿命・病気
シンガプーラの寿命は、10〜15歳です。
シンガプーラは、寂しがり屋なので、長期間の留守番などはストレスになってしまいます。
ストレスが溜まると、食欲不振や脱毛などを起こすことがありますので注意しましょう。シンガプーラが発症しやすい病気を紹介します。
ピルビン酸キナーゼ欠損症:ピルビン酸キナーゼという酵素が不足することにより、赤血球が破壊されて慢性的な貧血を起こす疾患。遺伝性溶血性貧血とも呼ばれています。
進行性網膜萎縮:網膜が萎縮することで、正常に機能することができず、視力が徐々に低下して、最終的には失明する可能性がある遺伝性の疾患。
肥大型心筋症:心臓の筋肉が厚くなることで、心臓の働きが悪くなり、不整脈などを起こす疾患。
皮膚疾患:蒸れや乾燥などが原因で、かゆみや炎症が起こります。カビや花粉の対策で予防することができるので、部屋の掃除などをしっかり行いましょう。
暖かい地方が原産の猫なので、日本の寒い冬や乾燥が苦手ですので、冬場は特に暖房などで室温を調整してあげましょう。
シンガプーラの飼い方
シンガプーラは、飼い主さんの愛情を一身に受けたい猫なので、性格や行動を考慮して飼うことが望ましいです。シンガプーラを飼うときのポイントを紹介します。
多頭飼いは性格を考慮して検討する
シンガプーラは、神経質で嫉妬深い性格をしています。飼い主さんの注目を一身に浴びて、いつも飼い主さんの愛情を感じていたい猫です。
飼い主さんへの依存心も強く、独占欲がある猫なので、多頭飼いをしたい場合は、シンガプーラの性格を考慮して飼育しましょう。
シンガプーラを飼っていて、新たにほかの猫を家族に迎える場合は、新しく来た猫に飼い主さんが奪われたような気がするため、嫉妬心からケンカをしてしまうこともあります。
また先住猫がいる場合でも、シンガプーラが来たことによって、飼い主さんの愛情が受けられていないと感じて、先住猫がストレスになることも考えられます。
シンガプーラは、多頭飼いに向いている猫ではありませんので、よく考えて家族に迎えてあげてください。
イタズラによる事故に注意する
シンガプーラは、好奇心旺盛で活発なので、イタズラをすることがあります。
隙間に入り込んだり、高いところに登ることも多いので、猫にイタズラをされると危険な物は片づけておきましょう。
電気のコードなども噛んでしまう可能性があるため、コード用のカバーをかけたり、コードを収納できるボックスに入れるなどの対策をしましょう。
特に冬場はこたつや暖房用の機器が出ることが多いため、猫が感電する、機械が故障するなどの事故を防ぐために工夫してみてください。
また、水を怖がらない勇敢なところもあるので、猫に留守番をさせるときは特に、お風呂に入って溺れてしまわないように気を付けてください。
一緒に遊ぶ時間を作る
大人しい性格のシンガプーラですが、遊び好きなので、一緒にたくさん遊んであげましょう。
高いところに登ることが好きなので、キャットタワーを設置してあげましょう。
シンガプーラは、棚などの人の背よりも高いところに登ることがあり、そのときに猫の近くにいると、飼い主さんの肩に飛び乗ってくることがあります。
小さいときはとても活発なので、猫も人も怪我をしないように気を付けてください。
シンガプーラの歴史
シンガプーラは、シンガポールの野良猫から自然発生した猫だとされていますが、本当に自然発生した猫種なのか詳しくはわかっていません。
シンガポールの下水溝には、ドレインキャットと呼ばれる野良猫がたくさん生息していて、現地の人はあまりの数に迷惑していたようです。
下水溝に住んでいたシンガプーラに似た猫を発見したのは、アメリカ人でブリーダーをしていたメドウ夫妻でした。
1971年にシンガポールに滞在していたメドウ夫妻は、小さな体の3匹の猫を保護して、繁殖を行いました。メドウ夫妻がシンガプーラの繁殖を始めてから10年も経過せずに、CFAとTICAに新種として公認されました。
しかし、外見の特徴がアビシニアンに似ていて、メドウ夫妻がアビシニアンとバーミーズを飼育していたことから、アビシニアンとの交配によって作り出されたのではないかと疑われました。
シンガプーラの生まれが定かではなくなったため、1991年にCFA理事会は夫婦から詳細な聞き取り調査を行いました。
その結果、夫婦がシンガポールから正規の手続きを行って猫を輸入したこと、猫がシンガポール原産の猫であることは間違いない事実であるとして、登録の取り消しなどは行われませんでした。
かつてはシンガポールの野良猫として、人々から嫌われる存在だったシンガプーラでしたが、今ではシンガポール観光局の広告塔となっています。
現在は、シンガプーラの出生が明らかではないことなどを理由に、新種として登録していない公認団体もあります。しかし、夫妻の努力があって誕生した猫種であることは間違いないとして、多くの公認団体から登録されています。
シンガプーラの値段価格
シンガプーラは、ペットショップやブリーダーから入手することができます。
シンガプーラの価格は、ペットショップでは25〜48万円ほどが相場です。ブリーダーから迎える場合は、24〜28万円ほどが相場となっています。
シンガプーラは、猫種の人気ランキングで20位以上になることが少ない猫ですが、知名度が高いため、ペットショップやブリーダーではよく見かける猫種です。
シンガプーラを飼いたいと思われたときは、ペットショップなどに足を運んで、気になる子猫を抱っこして、スタッフの方に子猫の普段の様子を聞いてみてください。
甘えん坊で飼い主さんに、たくさんの愛情表現をしてくれるシンガプーラは、飼い主さんの気持ちを察する力もあり、楽しいときはもちろん、悲しいときにも寄り添ってくれます。
短毛種なのでお手入れも楽に行うことができて、賢くしつけもしやすいシンガプーラは、ひとり暮らしの方にも向いています。シンガプーラを飼いたいと思われた方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。