
ブルドッグの基礎情報
・日本語表記:ブルドッグ
・英語表記:Bulldog
・原産地:イギリス
・発生:人為的発生
・種類:使役犬
・サイズ:大型犬(31〜40cm)
・体重:オス23kg~25kg、メス18kg~23kg
ブルドッグの性格・特徴
ブルドッグは、18世紀ごろにイギリスで行われていた雄牛と犬を戦わせる見せ物で、牛と戦う犬として作られました。
ブルドッグの性格
ブルドッグは、見た目と真逆の性格をしており、穏やかで愛情深いです。
他のペットや、子供を傷つけるようなことはなく、優しい性格をしています。非常に甘えん坊で、十分に愛情をかけてあげないと焼き餅を焼くことがあるほどです。
頑固な一面があり、嫌だと思ったことは決してやらないという意志表示をします。散歩中に突然まったく歩かなくなることも度々あるようです。
仕方ないと折れてしまうと、どんどんわがままになってしまうため、根気よくいって聞かせる必要があります。
ブルドッグの特徴
ブルドッグは、体つきが多少低く幅広い胃体型をしています。さらに力強く、コンパクトです。
頭部は大きさに対してかなり大きいですが全体的な調和が失われたり、バランスが崩れたり、動き肉さを感じさせるほどではありません。
顔部は、比較的短く、マズルは幅広くずんぐりとしてやや上向きです。体は、かなり短くがっしりしています。手脚は頑丈で筋肉が発達しており堅固です。
メスはオスと比較すると、筋肉量が少ない傾向です。
飼いやすく一緒にいて楽しい犬種
ブルドッグを飼育したことがある人は、口をそろえて、この犬種の性格の良さと飼いやすさを絶賛しています。
見た目と異なり、攻撃性は全くなく、オス同士で引き合わせても喧嘩になることはありません。また、弱い物を守ろうとする気質もあります。
普段から呼吸が荒く、すぐに息が切れてしまうため、長時間の散歩を必要としないことも、飼いやすさの一つのようです。
また、人が大好きで、家族を笑顔にしてくれる犬種です。

ブルドッグの毛色・目の色
ブルドッグの毛は、短く皮膚に密着しています。毛色は、単色かスマット(ブラックのマスクもしくはマズルで単色)です。
単色の場合は、ブリンドルかレッド、フォーン、ファローです。フォーンはゴールドがかったブラウン、ファローは淡いイエローです。
ブルドッグの被毛は、ダブルコートですが、抜け毛は少なめで被毛のケアは比較的楽な犬種です。
ブルドッグのブラッシングには、ラバーブラシが適しています。皮膚を傷つける心配がなく、軽くケアするだけで、抜け毛がよく取れます。
マッサージ効果もあり、皮膚の血行を良くするため皮膚疾患の予防にもなります。
ブルドッグの鳴き声
ブルドッグは、穏やかで優しい気質のため、無駄吠えや不必要な警戒吠えをしません。
散歩中でも他の犬に攻撃性を見せたり、過剰に反応することはないため安心して散歩ができます。しかし、子犬の時からしつけや訓練が不十分だったり甘やかしてしまうと、無駄吠えや過度な要求吠えなどをしてしまうことがあります。
子犬を迎え入れたら、すぐにしつけや社会性を身に付ける訓練を行いましょう。
大変賢い犬種のためすぐにたくさんのことを覚えますが、嫌なことは決してやらない頑固さがあります。
ブルドッグの寿命・病気
ブルドッグの寿命は、8歳〜10歳前後で、中型犬としては少し短めです。
しかし、最近ではブルドッグの正しい飼い方が広まり、10歳を超えることが多くなってきているようです。
短頭種気道症候群:呼吸がしづらくなり、全身に影響を与える疾患。ブルドッグのような短頭種が罹りやすい病気です。症状が重い場合には、外科的手術による治療が行われます。
予防のためには、適正体重を維持し決して肥満にさせないことです。激しく呼吸することで悪化することがありますので、激しい運動も控えた方がいいでしょう。
気がつく症状としては、いびきが大きくなった、以前よりも呼吸が荒くなったなどで、これらの症状があれば、動物病院への受診をしましょう。
心室中隔欠損症:心臓の先天的な遺伝性疾患。左心室と右心室を分ける心室中隔に穴が空いてしまい、左心室と右心室が繋がってしまう心臓病です。
呼吸困難やチアノーゼ、重症化した場合には心不全や肺水腫を引き起こします。内科的治療は強心剤、血管拡張剤、利尿剤などを投与します。重症の場合には、外科的手術を行うことになります。
遺伝性疾患のため予防はできませんので、迎え入れる際には、親犬の病歴確認と遺伝検査を確認しましょう。初期症状には、咳がつづく、以前よりも疲れやすいなどがあります。
股関節形成不全:股関節が噛み合わず関節が炎症を起こす疾患。この疾患も遺伝的要素が強く、主に成長期に発症するといわれています。関節炎などを引き起こし、症状が悪化すると歩行できなくなります。
初期の場合は、体重のコントロールや、鎮痛剤、レーザー治療などが行われます。重症化した場合には外科的手術での治療となります。
幼少期に過度な運動を避けることや、体重のコントロールで、予防することもできます。しかし遺伝性要素が強いため、ブリーダーでの遺伝子検査は確認した方がいいでしょう。

ブルドッグのしつけ・飼い方
ブルドッグは、大変飼育しやすく素晴らしい家族の一員になってくれる犬種です。少しでも長生きできるように、ブルドッグの正しい飼育法を学びましょう。
長生きに秘訣の体重管理
ブルドッグは短い鼻のため、呼吸器系の疾患を起こしやすく、心疾患や股関節に異常を持って生まれてくることも多いといわれています。
肥満は、呼吸器に悪影響を与え、心臓や足腰にも負担をかけます。
ブルドッグの肥満は命や長寿に関わってくることをよく理解して、運動や、食生活に気をつけることが大切です。
適度な運動を毎日規則正しく行う
ブルドッグの運動量には注意が必要です。
ブルドッグにとっては、運動のし過ぎも体に良くないことがわかっています。低い鼻のために呼吸がしづらいことが原因で、体温調節が他の犬よりも苦手です。
そのため、散歩中のブルドッグの様子をよく観察しながら、呼吸が荒くなりすぎないように、散歩の時間や回数を工夫してあげてください。
体温調整が苦手なため、熱中症にも十分注意が必要です。夏場は、涼しい時間に、いつもよりも短めの散歩を行いましょう。
また、散歩ができるようになったらすぐにリードトレーニングを開始することをおすすめします。
賢く問題行動の少ない犬種ですが、犬が安心して生活していくためには飼い主がリーダーシップを取ることが大切です。
日常ケアで健康チェック
ブルドッグは非常に飼いやすい犬種ですが、皮膚炎を起こしやすい難点があります。
シワに、皮脂や老廃物が溜まりやすく、放置していると炎症が起こり、皮膚炎を発症してしまいます。
予防にはこまめなシャンプーと、ブラッシングの際には、お湯で濡らし固く絞ったタオルで、よく拭き取ることが必要です。
皮膚疾患は、慢性化すると治療が長引いてしまうため、なるべく症状が軽いうちに動物病院を受診してください。

ブルドッグの歴史
ブルドッグは、もっとも古い原産犬種のひとつです。
1630年代に初めて分類され、もともとはブルベイティングに用いられる犬種でした。ブルベイティングとは、牛(ブル)に噛み付く(ベイティング)、13世紀から19世紀のイギリスにおいて、貴族や庶民の娯楽として人気があった見せ物のことです。
ブルドッグは、この見せ物に特化して改良されてきた犬種です。
そのため、繁殖の際には「均整」よりも「強さ」が優先され、徐々にブルドッグ特有の外見が確立していきました。
当時のブルドッグは、体重が60kgもあり性格も獰猛かつ攻撃的でした。
1835年動物愛護の観点から、イギリス国内の闘犬が非合法となったことをきっかけに、ブルドッグの改良が始まります。
闘争心や攻撃性を抑えることに重点を置き、徐々に改良が進められた結果、極めて温和で穏やかな性格に生まれ変わりました。
さらに見た目も現在知られるようになった短吻(短い口吻)で、よりずんぐりした体型に変わっていきます。
1860年にドッグショーに出場し、大きな変化を遂げました。
現在では、ブルドッグは「勇気」「不屈」「忍耐」の象徴としてイギリス国犬に指定され、またイギリス海軍のマスコットにもなっています。
ブルドッグの値段価格
ブルドッグは、日本においても非常に知名度が高い犬種のひとつです。しかし、ペットショップでは見かけることはほとんどありません。
飼育を希望される場合には、全国のブリーダーを探してみましょう。
ブリーダーから購入する場合、平均は56万円ほどです。親がチャンピオンなどの血統の場合は、より高価になり、88万円するブルドッグもいます。
ブルドッグについて興味を持たれた方は、まずはこの犬種について十分に理解を深め、飼育環境を整えることから始めましょう。
購入後も、皮膚疾患などで、動物病院を受診する機会が多いことを想定しておくといいでしょう。ブルドッグに興味を持たれた方は、ぜひ本記事を参考にしていただければと思います。