チワワの基礎情報
・日本語表記:チワワ
・英語表記:Chihuahua
・原産地:メキシコ
・発生:自然発生
・種類:愛玩犬
・サイズ:小型犬(15cm~23cm)
・体重:オス 1.5kg~3kg、メス 1.5kg〜3kg
チワワの性格・特徴
チワワは、世界最小のサイズで、北アメリカにおける最古の犬種として知られる犬種です。
愛らしくコンパクトなサイズから、家庭犬として高い人気を誇るチワワですが、体の大きさに反して勇敢で元気いっぱいな犬種です。
チワワの性格
チワワは、機敏で注意深く、大変勇敢な性格です。
元気いっぱいで甘え上手ですが、子犬の頃に甘やかし過ぎたり、家の中でばかり過ごしていると、わがままに育ったり、神経質で警戒心の強い気質になってしまいます。
子犬の頃に、積極的に外に連れ出し、家族以外の人や犬と触れ合わせたり、しつけ教室に通わせるなど、意識して社交的な性格を引き出させる必要があります。
大きな犬にも勇敢に立ち向かおうとしますが、それは臆病な性格からくるものです。さまざまな経験をさせ社会性を身につけることで、人にも犬にも優しい穏やかな性格になります。
飼い方次第で成犬時の気質が変わるため、そういった意味では、初心者よりも中級者向きな犬種です。初心者の場合は、しつけ教室などを利用するといいでしょう。
チワワの特徴
チワワは、世界最小のサイズであり、アップル・ヘッドと呼ばれる十分に丸みを帯びた頭部が特徴です。
額がマズルの付け根の上で丸みを帯びながら上がっているため、ストップ(両目の間にあるスカルとマズルの接続部のくぼみ)はたいへんはっきりしており、くぼんでいて広くなっています。
耳は大きく直立し広がっています。付け根は幅広く、わずかに丸みをもった先端に向かって徐々に先細っています。休憩時には、横に傾斜することも特徴的です。
体は小さくコンパクトですが、引き締まっており、腰も頑丈で筋肉質です。
また、チワワの体型には、以下の3タイプがあります。
・ドワーフタイプ
がっしりと骨太で、手足が短いことが特徴です。少し太っているように見え、マズルが短い傾向があります。
体高よりも体長のほうが長いボディバランスが、成犬になっても、子犬のような雰囲気を漂わせています。いつまでもコロコロとした可愛らしさが魅力です。
・ハイオンタイプ
ドワーフタイプとは反対に、体長よりも体高の方が長く、手足が長いことが特徴です。
スリムなモデル体型をしており、マズルが長いことから、キリッとした顔つきです。スムースコートの場合この特徴は顕著にあらわれます。
日本ではドワーフタイプよりも、ハイオンタイプの方が多いようです。
・スクエアタイプ
ドワーフタイプとハイオンタイプの中間の体型をしており、一般的なチワワの体型です。手足の長さや、マズルの長さは長くも短くもなく、バランスがとれています。
ドッグショーでは、スクエアタイプが好まれているようです。
生まれたばかりの子犬の時点では、どのタイプに成長するか予測することはできません。マズルの長さも成長と共に変化するため、判断基準にはならないようです。
また、親犬の体型も関係ないといわれています。生後6ヶ月程度で、体型の特徴が現れてきますので、判断がつくようになります。
オスとメスの性格の違い
オスはやんちゃでリーダー気質が強く、自分よりもはるかに体の大きな犬や、初めて会う人にも立ち向かおうとする勇敢さがあります。
その反面、家の中では飼い主や家族に甘える、内弁慶タイプが多い傾向です。
メスは、オスと比べると比較的穏やかな性格をしています。基本的には、従順で献身的ですが、成長と共に独立心が芽生え、飼い主からの過度のスキンシップがストレスになることもあります。
ヒート(生理)期間中は、神経質になったり、攻撃的になることもあります。
チワワの毛色・目の色
チワワは、短毛のスムース・コートと、長毛のロング・コートの2タイプがあります。
スムース・コートは、被毛に光沢があり、やわらかく密に生えています。下毛がある場合は、上毛はやや長めです。
ロング・コートは、細い被毛はシルキー(絹糸状)で、直毛かわずかにウェービーです。厚すぎる下毛は好ましくなく、耳、首、前脚、後脚の後ろ側、足と尾の被毛は長く、プルーム(尾から垂れている長い飾り毛)があります。
いずれのタイプも毛色は、マール・カラー以外のすべての色調が認められています。
一般的な毛色は、ブラック、ホワイト、フォーン。チョコレート、クリーム、レッド、ゴールドがあります。
チワワの目は、大きく丸く、非常に表情豊かで、色はダークです。
目が大きいことからゴミが入りやすく、涙目になることが多いため、涙やけを起こすことがあります。こまめに拭き取って清潔にしてあげましょう。
また、どちらのタイプも、抜け毛も多くブラッシングが欠かせない犬種です。
チワワの鳴き声
チワワは、無駄吠えや警戒吠えが癖になりやすい犬種です。
鳴き声は、小さな体に似合わず大きく低い声をしており、近隣トラブルにならないためにも、むやみに吠えないように育ててあげましょう。
チワワが吠えやすい理由には、体が小さい故の強い警戒心と、少しでも自分を大きく見せるためではないかといわれています。
また、個体差や育て方によって臆病や神経質に育ってしまうと、見知らぬ人や犬、聞き慣れない音に吠えやすくなります。
無駄吠えに関しては、育て方が大きく影響しますので、初心者が飼育する場合には、しつけ教室などを利用するといいかもしれません。
子犬の頃から、人の多いところに連れて行ったり、知人の家に連れて行ったり、ドッグランやしつけ教室に連れて行くなど、あらゆる対策を講じておくと、人にも犬にも優しい穏やかな性格になるようです。
小型犬だからといって、家の中でずっと過ごしたり、家族以外の人と触れ合う機会がないと、臆病で吠えやすくなりますので、注意してください。
チワワの寿命・病気
チワワの寿命は12〜14歳で平均的な寿命です。
水頭症:髄液が頭蓋内に過度に溜まり、脳が圧迫を受けてさまざまな症状が出る疾患。
チワワは、小型犬の中でも特に水頭症を発症する確率が高いといわれており、この犬種を飼育する場合には、水頭症について必ず頭にいれておいた方が良いでしょう。
ほとんどが先天性で、根本的な治療も難しい疾患です。
症状には、「一日中ぼーっとしている」「歩き方がおかしい」「異常なほど興奮しやすい」「急に噛み付く」「髄液の広がりのせいで眼球が圧迫され、目が外側を向いてしまう」「頭部がドーム状に大きく広がり、一回り大きく見える」などがあります。
水頭症は症状がわかりやすいため、異常を感じた時にはすぐに動物病院を受診してください。早期発見が重要な疾患です。
角膜炎:角膜に傷などが原因で炎症が生じる疾患。チワワのように、鼻が短く目が大きな犬種は、目をぶつけたり、ゴミが入ることで角膜炎を発症しやすいといわれています。
症状には「涙が増える」「目やにが出る」「目をしぱしぱさせる」などがあります。
毛色が薄いチワワの場合、涙が増えることで、涙やけが生じます。目に何かしらの症状を見つけた時には、早めに動物病院を受診しましょう。
気管虚脱:呼吸の際に気管が変形し潰れてしまう疾患。気管虚脱は、気管が丸い筒状を維持できなくなり、咳が出たりガーガーという異常な呼吸音が出る疾患です。
場合によっては呼吸困難を起こすこともあります。
本疾患は、興奮したり、運動時に悪化することが多いといわれており、呼吸困難によって舌などにチアノーゼがみられることがあるため注意してください。
原因には遺伝が考えられていますが、肥満、高温多湿、吠え過ぎ、リードによる気管への圧迫なども関与していると指摘されています。
症状が軽いうちに動物病院を受診しましょう。
チワワのしつけ・飼い方
チワワは、日本の家庭犬を代表する小型犬です。初心者でも飼育が簡単そうに感じる犬種ですが、難しい点もありますので、飼育方法をご紹介します。
吠えるようになってしまったら
チワワは、チャイムの音などに反応して吠えることが多い犬種です。
すでに吠えやすい場合には、叱り方に工夫が必要です。吠え始めた時に、強めに「ダメ」など声をかけます。
声かけでは、鳴き止むことは少ないため、片手で腰のあたり、もう一方の手で頭を、自由に動けないように軽く抑えます。この時、力を入れ過ぎないでください。
このように吠えた時には、自由が奪われてしまうと気づくまで、続けるようにしてください。
吠えることを、我慢できたらたくさん褒めてあげましょう。
どうしてもチャイムの音に反応する場合には、訓練が完了するまで、チャイムの音を変えたり、音を小さくするなどしてもいいでしょう。
活発で運動も大好きだけど関節に負担をかけないように
チワワは、体が小さいですが、活発な犬種です。
子犬の時は特に落ち着きがなく常に動き回っており、個体差もありますが、筋肉質でがっしりした成犬も多い犬種です。
散歩は、短い時間でも毎日欠かさず行うようにしてください。走ることも大好きですが、階段を駆け上がったり、堅いコンクリートの上で飛んだり跳ねたりすると、関節を痛めることがあります。
遊んだり、走ったりするときは、なるべく芝生の上で行いましょう。
また、自宅でも滑りやすいフローリングには滑り止めマットをしたり、段差をなるべく少なくした安全な飼育環境を整えるようにしてください。
子犬の頃の触れ合い方が育てやすさを左右する
子犬の頃のチワワは、小さく非常に可愛らしい存在ですが、甘やかし過ぎないようにしてください。
他の犬種同様、上下関係をしっかり築き、毅然とした態度で指示を出すなどしつけを行いましょう。また、家族以外の人や、犬と触れ合うためにも、散歩に積極的に連れて行ってください。
他にも、しつけ教室を利用することも、社会性を身につけるためにはたいへん有効です。
さまざまな経験をさせ、刺激に触れることで、おおらかで穏やかな成犬になるように育ててあげましょう。
チワワの歴史
チワワの祖先犬は、古代メキシコに存在していたとされる「テチチ」という小さな犬と、考えられています。
テチチと思われる犬種は、紀元前15世紀頃、マヤ文明で栄えたユカタン半島のチチェンイツァ遺跡で見つかっています。
16世紀に入り、スペイン軍が南米を侵略すると、テチチたちは絶滅の危機に瀕してしまいました。その後1850年になって、メキシコのチワワという町で、3頭の小さな犬たちが発見されました。
発見地にちなみチワワと名付けられた彼らは、現在のチワワの基礎犬となります。
アメリカに渡ったチワワたちは、犬種の固定化が図られ、数十年に渡る繁殖の途中で、チャイニーズ・クレステッド・ドッグなどが交配に使われました。
こうして、現在のチワワに近い形となり、1904年にアメリカンケネルクラブから公認を受けます。
アメリカでは住宅事情により、小型犬よりも大型犬の人気が高いため、チワワの飼育数はなかなか増えませんでした。
しかし、1960年代以降、都市化が進むと、飼いやすいサイズのペットとして注目を浴び、人気犬種となりました。
日本に輸入されるようになったのは、1970年代のことで、日本の都市部のマンションでペット可の物件が増えると共に、チワワは人気犬種となり、現在まで犬籍登録数は毎年上位に位置しています。
チワワの値段価格
チワワは、日本の家庭犬を代表とする小型犬として知られています。
ペットショップでも必ず見かける犬種で、迎え入れる方法は、ブリーダー、ペットショップ、里親などさまざまです。
子犬の価格は、毛色により異なり、ブラック&タンやチョコレート&タンの方が高価になりやすいようです。またオスよりもメスの方が高価です。
価格には幅があり、20万円〜40万円程度になります。
つぶらな瞳と愛らしい容姿と、小柄な体で、飼いやすいと思われがちな犬種ですが、実際は、甘やかしすぎると手をつけられないほどわがままになったり、吠えやすく攻撃的になることもあります。
他の犬種同様、誰にでも簡単に飼育できる犬種ではないため、迎え入れる前に必ずこの犬種について学び、しつけ教室なども検討するといいでしょう。
興味を持ち飼育を検討されている方は、迎え入れる前にぜひ本記事を参考にしていただければと思います。