ハバニーズの基礎情報
・日本語表記:ハバニーズ
・英語表記:Havanese
・原産地:キューバ
・発生:人為的発生
・種類:愛玩犬
・サイズ:小型犬(23cm~27cm)
・体重:オス 4.5kg~7.3kg、メス 4.5kg〜7.3kg
ハバニーズの性格・特徴
ハバニーズは、元気いっぱい跳ねるように歩く姿が可愛らしい、ハバナ原産の犬種です。ふわふわの被毛ですが、温暖な地方で育っているため、寒さに弱い特徴があります。
ハバニーズの性格
ハバニーズは、陽気で明るく元気いっぱいな犬種で、性格が良く人と過ごすことが好きな飼育しやすい家庭犬です。
普段は穏やかで愛情深く、他の犬や子供と遊ぶことも大好きです。温厚な気質のため、初心者やシニアでも飼育が可能です。
物覚えが良く賢いため、芸ができる犬としてサーカスで活躍していたこともあります。
ハバニーズの特徴
ハバニーズは、小型な体ですが頑丈で骨格もしっかりしており、身体能力が高い犬種です。
マズルと足が短く、垂れ耳、背中に背負った巻き尾、耳と尾の飾り毛が特徴的で、歩き方はきびきびと弾むようです。
ふわふわの被毛をしていますが、温暖な地域で生まれたため寒さに弱く、温度管理された室内での飼育が必要です。
都市部の住宅の飼育に向いている犬種
ハバニーズは、頭がよく争いごとを避けるため、むやみに吠えることはありません。リードを離しても、飼い主のそばから遠く離れようとしません。
大人しく、飼い主のいうことをよく理解し、聞き分けがよく性格の良い犬のため、非常に飼育しやすく、都心部の住宅地でも安心して飼育できるでしょう。
アメリカでは、ここ10年ほどで人気が急上昇しており、日本はまだ珍しい犬種ですが日本の住宅環境とも相性が良いため、今後人気が出てくる可能性があります。
ハバニーズの毛色・目の色
ハバニーズは、手触りのよい、シルクのような被毛をもっています。
やわらかくなめらかで光沢のある被毛は、高級感がありこの犬種の魅力ともいえます。ふかふかのダブルコートですが、温暖なハバナで生まれたこともあり、下毛は比較的薄く抜け毛が少なめです。
室内も汚れにくいですし、犬の毛によるアレルギー疾患をもっている人が、飼育しているケースもあるようです。
しかし、上毛は長くやわらかいため、毛玉ができやすく、ブラッシングや定期的なトリミングが必要です。
お手入れを簡単にしたい場合は、短くカットしてしまう飼い主もいますが、長毛のまま残す場合には、毎日ブラッシングしてあげましょう。
毛色は、フォーン、ブラック、ハバナ・ブラウン、タバコ色、赤系のブラウン、ピュアホワイト、これらに斑やタン・マークが入ることもあります。
目は、ブラックのアーモンド形で、優しく愛らしい表情をしています。
ハバニーズの鳴き声
ハバニーズは賢く、フレンドリーな性格をしているため、吠えたり唸ったりすることはほとんどありません。
家庭犬として最適と評される通り、都市部の集合住宅でも安心して飼育できる犬種です。
しかし、一般的に言えることですが、家族以外との触れ合いがなかったり、家の中でばかり過ごしていると、神経質で刺激に敏感になり、恐怖心から吠えるようになってしまいます。
元々友好的な犬種ですが、子犬の頃から、積極的に外に連れ出し、初めての人や犬とたくさん触れ合い可愛がってもらうようにしてください。
小型犬ですが、体は頑丈な作りをしていますので、初めての場所にもたくさん連れていき、さまざまな経験をさせてあげましょう。
子犬のうちに、多くの刺激に触れさせることで、穏やかで優しい成犬に育ちます。
ハバニーズの寿命・病気
ハバニーズの寿命は13〜16歳でやや長命な犬種です。
犬種特有の遺伝性疾患も少なく、発症しやすい命に関わるような疾患もほとんどありませんが、10歳頃からシニアになりますので、加齢による疾患には注意しましょう。
膝蓋骨脱臼(パテラ):膝の関節が正常な位置からずれてしまう疾患。ハバニーズは骨格がしっかりとしていますが、小型犬に多い関節疾患には注意が必要です。
運動量はそこまで多くないため、関節に負担をかけるような運動は控えてください。フローリングで滑って転んだり、段差から落ちるなどが原因で膝蓋骨脱臼や骨折をしやすいといわれています。
膝蓋骨脱臼は、膝蓋骨が正常な位置から外れてしまう疾患で、外れたり戻ったりを繰り返しながら、徐々に悪化していきます。
放置していると、元に戻らなくなり、最終的に歩けなくなってしまうこともあります。歩き方に異常があった場合、まずは安静に過ごせる環境を整えてください。
歩き方の動画を撮っておくと診察の際に役に立ちますので、動物病院を受診し相談してみましょう。
外耳炎:外耳に炎症が生じる疾患。ハバニーズは垂れ耳で、長毛なため、耳が蒸れやすく外耳炎を発症しやすいといわれています。
とくに、高温多湿の夏場は外耳炎が発症しやすく、すぐに悪化しますので、早めの治療が大切です。
「頭をよくふる」「耳の付け根を掻く」「匂いがする」「ベトベトした耳垢が出る」などは外耳炎の典型的な症状ですので、注意して観察してください。
流涙症:常に目の周辺に涙が溢れている状態。あふれ出た涙が、目頭や鼻の横にかけて被毛にこびりつき変色すると涙やけを起こします。被毛の色が薄い場合は、よく目立つ症状です。
また、目やにが増えたり、湿疹や皮膚炎につながることもあり早めの対処が必要です。原因には、まつ毛やゴミなどによる刺激による、結膜炎、角膜炎、眼輪筋の衰えによるまばたきの減少などがあります。
鼻涙管が正常に機能しないことで、涙の排水がうまく行われず、涙が溜まってしまうこともあります。
動物病院を受診して、原因の特定及び、処置を受けるようにしてください。ハバニーズは被毛が長いため、目の中に毛が入らないように、こまめにトリミングを行うか、ゴムで被毛を縛ってあげましょう。
ハバニーズのしつけ・飼い方
ハバニーズは理想的な家庭犬のような犬種ですが、少しでも長く元気に過ごせるように、大切に飼育してあげましょう。
家族が大好きな甘えん坊
ハバニーズは、人が大好きで、家族と一緒に過ごすことを好む犬種です。
温暖な地域原産の犬種ですので、寒さに弱く、室内で大切に飼育してあげましょう。膝関節がやや弱いため、滑りやすいフローリングには、滑り止めマットを敷いてください。
被毛が長いため、足裏の毛が伸びると滑りやすくなりますので、こまめにトリミングでカットしてもらいましょう。
寂しがり屋なため構ってもらえなかったり、留守番時間が長くなると、ストレスが溜まり体調を崩したり、問題行動を起こすことがあるため注意してください。
散歩は欠かさず行う
ハバニーズは、小柄で温厚ですが、運動は欠かせません。
ハバニーズにとって散歩は、運動不足の解消以外に、社会性を身につける良い機会でもあります。室内でずっと過ごしていると、この犬種のフレンドリーな性格が損なわれ、神経質で怖がりになってしまいます。
散歩で出会った人に、可愛がってもらったりドッグランで他の犬たちとコミュニケーションを取るなど、この犬種の社交的な性格をどんどん引き出してあげましょう。
散歩は1日30分程度行い、激しい運動は必要ありません。
お手入れで美しい被毛を維持する
ハバニーズの魅力の一つである美しいシルキーな被毛は、やわらかく毛玉ができやすい毛質です。
抜け毛はそれほど多くありませんが、絡まりや毛玉ができないように、コミュニケーションをかねて毎日ブラッシングするといいでしょう。
シャンプーのあとは、しっかりと乾かすことが大切です。難しい場合にはトリミングサロンで行ってください。
トリミングによって、さまざまなスタイルを楽しめることもこの犬種の魅力です。
ハバニーズの歴史
ハバニーズは、16世紀にイタリアの貿易商人がキューバに持ち込んだ犬が祖先犬ではないかと考えられています。
この犬を改良し、現在のハバニーズの原型が作り出されました。
キューバの上流階級の人々に愛されると、この犬種の飼育がステータスとなり、ロシアやフランスなどに輸入されていきました。
その後ハバニーズの基となった犬種は、愛玩犬として大きな人気を博しますが、輸出された国で革命が起こり、貴族の地位が没落すると、各地の犬たちは絶滅していきました。
原産国であるキューバも同様で、国内の多くの犬の命が奪われました。
絶滅を回避するため、生き残ったわずかな犬たちを、密かにアメリカへ送りました。アメリカの愛好家たちの手により、プードルや他の小型のピジョン犬と交配させ、現在のハバニーズを作りだしました。
ハバニーズという名前は、アメリカで改良が行われてから名付けられ、キューバの国内情勢が安定すると、アメリカからキューバへ、ハバニーズが送り返されました。
その後、キューバ国内で再びブリーディングが行われるようになりました。
現在、アメリカやヨーロッパで人気が高まっていますが、まだ他の国では珍しい犬種で、キューバにおいても希少な存在です。
近年ではアメリカでの人気が非常に高まっています。
ハバニーズの値段価格
ハバニーズは、アメリカでここ10年の間に人気が上昇している犬種ですが、日本においても徐々に人気が出てきている犬種です。
ジャパンケネルクラブによると、2015年までは10頭未満の登録数でしたが、2020年には50頭弱、2021年には74頭の登録が行われ、急速に飼育数を伸ばしています。
ハバニーズが、気質や体のサイズ共に、日本の都市部の住宅環境に適応しやすいことが理由に考えられています。
まだ数は少ないですが、ブリーダーや愛好家も存在していますので、早めに予約を入れるといいでしょう。
子犬の価格は25万円〜35万円です。
しかし、希少な犬種のため価格が上昇する可能性もあります。ハバニーズは、ぬいぐるみのような見た目と温厚で優しい性格が非常に魅力的な犬種です。
ぜひ本記事を参考に、ハバニーズについて知っていただいてから、家族に迎え入れていただければと思います。