ペルービアン・ヘアレス・ドッグの基礎情報
・日本語表記:ペルービアン・ヘアレス・ドッグ
・英語表記:Peruvian Hairless Dog
・原産地:ペルー
・発生:自然発生
・種類:原始的な犬/スピッツ
・サイズ:小・中・大型犬(25〜65cm)
・体重:オス8kg~25kg、メス4kg~25kg
ペルービアン・ヘアレス・ドッグの性格・特徴
ペルービアン・ヘアレス・ドッグは、世界最古の犬種のひとつで、気品高い外見のヘアレスドッグです。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグの性格
ペルービアン・ヘアレス・ドッグは、元気で明るい性格をしており、家族に対しては愛情深く接し、見知らぬ人に対しては控えめに対応します。
警戒心が強く番犬としての適性があります。
子犬の時に社会化の訓練をし、他人への警戒心を抑えられるようにすると、家庭犬としての適性も高くなります。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグの特徴
ペルービアン・ヘアレス・ドッグの最大の特徴は、体毛がないことです。
また、ヘアレスドッグは、遺伝的要因で先天的に臼歯などの歯が欠如していることがあります。体はスリムでほっそりしており、優雅で気品高い印象を与える外見です。
さらに、スピード感と力強さを兼ね備えており、調和が取れた体の作りをしています。耳は大きく先のほうで前方に折れており、舌を口から垂らしていることが多くあります。
3種類のサイズが存在
ペルービアン・ヘアレス・ドッグは3つのサイズがあります。
・小型:体高25cm〜40cm、体重4kg〜8kg
・中型:体高40cm〜50cm、体重8kg〜12kg
・大型:体高50cm〜65cm、体重12kg〜25kg
いずれのサイズも、ボディは力強く、同様の特徴を持っています。運動量はサイズに合わせて行う必要があります。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグの毛色・目の色
ペルービアン・ヘアレス・ドッグは、ヘアレス犬種のため、通常は目の上の感覚毛とヒゲ以外の被毛がありませんが、稀に頭に白っぽい長い被毛が生えている個体もいます。
毛色は皮膚の黒い犬に関しては、ブラック、ストレート・ブラック、エレファント・ブラック、ブルーイッシュ・ブラック、あらゆる色調のグレー、ダーク・ブラウン、明るいブロンドまでさまざまな色があり、すべての色は単色です。
肌はなめらかで、紫がかった黒色で、日差しの刺激には強いです。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグは、出産すると1子ほど有毛の個体が生まれ、この個体をパウダーパフと呼んでいます。
パウダーパフ個体は、スムースコートで全体的に毛色が白くなっています。
被毛ケアが必要ない分、スキンケアが必要です。とくに冬場など乾燥しやすい時期は、保湿クリームを塗る必要があります。
被毛がないため、犬のけがアレルゲンとなるアレルギーの人でも飼育が可能な犬種として注目されています。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグの目の色は、皮膚の色に応じてブラック、ブラウン、イエローまでさまざまです。
両目の色は同じで、眼瞼の色は顔の皮膚の明るさに応じて、ブラックからピンクまであります。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグの鳴き声
ペルービアン・ヘアレス・ドッグは、用心深く警戒心も強い性格のため、吠えやすい犬種です。
鳴き声は高めでよく響くため、無駄吠えが多くなると近隣トラブルになる可能性があります。子犬の頃から、さまざまな刺激に触れさせたり、家族以外の人に可愛がってもらうことで、警戒心が和らぐように育ててあげるといいでしょう。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグは、室内飼育が推奨されています。家族の存在が常に感じられるところで、安心して生活することで、吠えにくい気質になります。
留守がちで寂しい思いをしていたり、運動不足が続くとストレスから吠えやすくなりますので注意しましょう。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグの寿命・病気
ペルービアン・ヘアレス・ドッグの平均寿命は、11歳〜12歳です。
この犬種特有の遺伝性疾患や、かかりやすい命にかかわるような病気はありません。日常ケアや健康管理によって、長生きも望めます。
飼育されている頭数が少ないため、情報収集が難しいこともあり初心者に飼育は難しいでしょう。動物病院に受診する際にも、この犬種の知識がある病院を見つけておくと安心です。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグは被毛がないことによって体温調節が苦手で風邪を引きやすい犬種です。
鼻水や咳、くしゃみなど風邪症状が見られたら悪化する前に動物病院を受診し、治療を受けるようにしてください。
また風邪を引かないように、「洋服を着せる」「ベッドに毛布を敷く」など、暖かく過ごせるようにしてあげましょう。
また被毛のない皮膚は外部からの刺激に弱く、乾燥する季節は時に肌が敏感になります。保湿クリームなどで皮膚を守るスキンケアをしてください。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグのしつけ・飼い方
ペルービアン・ヘアレス・ドッグは、被毛がないことや古代犬種であることなど、特徴的な犬種です。情報が少ない希少な犬種ですが、適切な方法で飼育しましょう。
サイズに合わせた運動量
ペルービアン・ヘアレス・ドッグは、3つのサイズが存在する犬種です。それぞれ必要な運動量が異なります。
大型の場合は1日60分、中型の場合は1日50分、小型の場合は1日30分程が目安です。
他にも、ドッグランで自由に走らせたり、ボール投げで遊ぶと喜びます。室内でもおもちゃで遊びながら一緒に過ごしてあげましょう。
いずれも活発で運動が好きな犬種ですので、散歩は欠かさずに行ってください。冬場の散歩は洋服を着せて、様子を見ながら無理せず行うようにしましょう。
スキンケアが必要
被毛がないペルービアン・ヘアレス・ドッグは、スキンケアが必要です。
外部からの刺激に弱いため、年間を通してケアが必要ですが、とくに乾燥する冬場は保湿ケアを欠かさないようにしましょう。
夏場は、紫外線が気になる場合には日焼け止めを使用します。洋服を着せると保温もできますし、皮膚も保護できます。
デンタルケアで歯を大切に
ヘアレスドッグは、遺伝子変異の影響で歯が弱いという特徴があり、先天的に臼歯が欠損していることもあります。
子犬の頃から、口元を触ったり歯を磨くことで、歯の診察や治療を行うときに嫌がらないようにするといいでしょう。
定期的なデンタルケアを行い、健康的な歯を維持できるようにしてください。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグの歴史
ペルービアン・ヘアレス・ドッグの起源に関してはいくつかの説があります。
一つ目は、中国人がペルーに移住してきた黒人奴隷制廃止法を施行した直後にペルーに持ち込まれたといわれています。
二つ目は、アフリカにいたヘアレスドッグを伴ってアメリカ大陸に渡った遊牧民がペルーにもたらしたとする説。
三つ目が、人間と犬がペーリング海峡を渡ってアジアからアメリカへ移住したことと関係があるとする説があります。
他にも、さまざまな前インカ文明(ビクス、モチカ、チャンカイ、ティアワナコイドの影響を受けたチャンカイ、およびチムー)の陶器に見られる描写などの確かな証拠もあります。
これらの陶器から判断すると、ヘアレス・ドッグは前インカ時代の紀元前300年から紀元後1460年の間に現れたと考えられています。
インカ帝国が栄えた時代に、高貴な人々のペットとして飼育され、改良されて以来、ペルー全土で飼育されてきました。
しかし、大航海時代にヨーロッパ文化が流入したことがきっかけで、絶滅寸前まで頭数を減らしてしまいます。
その事態を憂慮したペルー政府によって、国の重要な文化遺産の一部として保護されるようになりました。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグの値段価格
ペルービアン・ヘアレス・ドッグは、日本では非常に珍しく、ペットショップはもちろん街中で見かけることのない犬種です。
日本で登録されたことはありませんが、海外のヘアレス犬種愛好家からは、最も飼育が簡単なヘアレスドッグといわれている犬種です。
この犬種を購入したい場合には、海外からの輸入となります。
ペットの輸入代行業者に依頼した場合、現地のブリーダーとのやりとりも代行してくれますが、費用は通常50万円程度かかります。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグは希少な犬種ですので、さらに高価になる可能性があります。
ぜひ本記事を参考にペルービアン・ヘアレス・ドッグについて知っていただければと思います。