プラシュスキー・クリサジークの基礎情報
・日本語表記:プラシュスキー・クリサジーク
・英語表記:Prazsky Krysarik
・原産地:チェコ共和国
・発生:自然発生
・種類:愛玩犬
・サイズ:小型犬(20cm〜23cm)
・体重:オス 1.5kg~3.5kg、メス 1.5kg〜3.5kg
プラシュスキー・クリサジークの性格・特徴
プラシュスキー・クリサジークは、チェコ語で「プラハのネズミ捕り」という意味の犬種で、ボヘミア原産のネズミ駆除の使役犬「ラトラー」が祖先犬と考えられています。
プラシュスキー・クリサジークの性格
プラシュスキー・クリサジークは、何よりも人の膝の上が大好きといわれるほど、甘えん坊で寂しがりやな犬種です。
明るくフレンドリーですが、自分の何倍も大きな大型犬に立ち向かう勇ましさもあります。
超小型犬ですが、小型犬特有の騒がしさや落ち着きない様子はなく、自制心の強い犬種です。家族に対しては、愛情深いですが、生まれつき、他人に対しては控えめで、気高さを兼ね備えています。
プラシュスキー・クリサジークの特徴
プラシュスキー・クリサジークは、ネコよりも小さい超小型な体ですが、動きは機敏で、ネズミ捕りをしていたほど身体能力も高い犬種です。
弱々しく見えますが、遺伝性疾患も少なく、健康で丈夫な犬種です。また、表情が非常に可愛らしいことが、本犬種も魅力のひとつです。
ミニチュア・ピンシャーと似ている外見ですが、本犬種の方が体は小さくチワワよりも小さいといわれています。
脚は長く細いですが、筋肉質で柔軟性もあります。尖った耳はコウモリ耳で、ピンと立っています。
チェコで愛された優秀な犬種
プラシュスキー・クリサジークは、中世の王様の抱き犬として愛されていました。
それだけではなく、足の速さと高い身体能力から、ネズミ捕り犬としても飼育されており、チェコで愛されている犬種です。
小さな体ですが、気品と優雅さがありながら、筋肉質で引き締まった体がこの犬種の優秀さを物語っています。
抱き犬だった名残から、「三度の飯より膝の上が好き」といわれるほど、飼い主の膝の上で過ごすことを好みます。
プラシュスキー・クリサジークの毛色・目の色
プラシュスキー・クリサジークは、スムースヘアがほとんどですが、近年ではロングヘアーも増えています。
毛色は主に、ブラック&タンですが、ブラウン&タンもあり、タンは、淡いイエローやマール、レッドがあります。
マーキングは、目の上、頬、胸、パスターン(前足のくるぶしから指までの間、後ろ足の踵から指までの間の部分)、手足にみられます。
スムースヘアの被毛は、体にぴったりつき、光沢があります。質感はビロードのようで、美しく高貴な印象を与えます。
お手入れが楽な犬種で、ラバーブラシで週に2〜3回ブラッシングしてあげましょう。蒸しタオルで、体を拭き汚れを落としてください。
プラシュスキー・クリサジークの目は、大きく瞳の色はブラックです。
プラシュスキー・クリサジークの鳴き声
プラシュスキー・クリサジークは、小型犬に多いキャンキャンと吠えやすい気質はあまりありません。
しかし、自分の体よりも大きな犬に向かっていく勇ましさがあり、危険を感じた時にはしっかりと吠えたて、番犬の役割を担ってくれます。
基本的には、賢く人懐っこいため、しつけや訓練によってむやみに吠えることはないようです。
ただし、臆病なところがありますので、小さな頃から家の中でばかり過ごしていると、小さな物音などにも反応して吠えるようになってしまいます。
プラシュスキー・クリサジークは、体は小さいですが体は筋肉で引き締まり、足も速く身体能力の高い犬種です。
運動も好きなので、散歩は欠かさず連れ出し、さまざまな刺激にされさせてあげましょう。
プラシュスキー・クリサジークの寿命・病気
プラシュスキー・クリサジークの寿命は、12歳〜14歳とやや平均的な寿命で、弱々しく見える体型ですが、遺伝性疾患の少ない健康的な犬種です。
日本国内においても、犬種クラブによる厳しい審査の上、繁殖が行われているため、健康的な個体が多いようです。
関節疾患:脱臼、骨折、関節炎などの疾患。プラシュスキー・クリサジークは、足が長く細いため、あらゆる関節疾患に注意が必要です。
膝の上で過ごすことが好きな犬種ですが、飛び降りることがないように、必ず手で支えてあげましょう。降りる時も、必ず抱っこで降ろしてあげてください。
身体能力が高く、運動が好きですが、堅いコンクリートの上で飛んだり跳ねたりしないように、芝生の上で遊ぶといいでしょう。室内でも、滑り止めのマットを敷いたり、ドアなどに挟まれないように対策をしてください。
また、体が小さいからといって運動を怠ると、筋力がなくなり、関節に負荷がかかります。毎日の運動を欠かさないことも関節疾患の予防には大切です。
プラシュスキー・クリサジークのしつけ・飼い方
プラシュスキー・クリサジークは、日本の住宅環境に適したサイズと、健康的な体が魅力的な犬種です。
まだ日本では珍しい犬種ですが、飼育する上での注意点をご紹介します。
寒さに弱いため暖かく過ごせるようにする
プラシュスキー・クリサジークは、犬には珍しく寒さに弱い犬種です。
冬はもちろんですが、夏場も冷房を使い部屋を涼しくすると、プラシュスキー・クリサジークにとっては寒いことがあります。
冬に限らず、年間を通して、毛布をベッドに置いておくといいでしょう。
真冬は、耳が凍傷になりやすいため、耳カバーを活用する飼い主もいるようです。寒い時は、無理に散歩へ行かず、家の中で遊ぶなどして過ごしてください。
関節に配慮した生活を心がけて
プラシュスキー・クリサジークは、長い脚と細い足が特徴的です。
筋肉質で弱々しくはないですが、関節疾患の発症リスクが高いため、子犬の頃から注意して過ごし、生涯元気に歩けるようにしてあげましょう。
室内では、滑り止めマットを敷いたり、高いところから飛び降りたりしないように注意してください。シニア期に入る前後で、関節用のサプリを活用する飼い主も多いようです。
孤独が嫌いな寂しがり屋
プラシュスキー・クリサジークは、甘えん坊で、寂しがりやな犬種です。
そのため、留守がちな家庭よりも、常に家族の気配を感じられるような家庭で育ててあげるとよいでしょう。
プラシュスキー・クリサジークは、社交性がありフレンドリーな性格のため、多頭飼いする飼い主も多くいます。
また、健康的でコンパクトな体をしていますので、お出かけのお供にもぴったりです。なるべく一緒に過ごしてあげましょう。
プラシュスキー・クリサジークの歴史
プラシュスキー・クリサジークは古くからチェコで愛されてきた犬種です。
ボヘミア原産のネズミ捕り犬「ラトラー」が祖先犬と考えられており、ポーランド王のボレスワフ2世が、ボヘミア王国から2頭贈られたというものが、最も古いこの犬種についての記録です。
その後も、王侯貴族の飼い犬として愛され、ボヘミア王国から隣国への贈り物としてよく使われました。
1620年の白山の戦いに敗戦した後からは、一般市民の間でも飼育されるようになりました。
共和制移行後、絶滅寸前となり、小さすぎるとしてドッグショーへの参加失格も剥奪されたことがあります。
しかし、1920年代より行われた復活計画により、1980年代にプラハでプラシュスキー・クリサジークのスタンダードが固定され、犬種として確立しました。
本犬種は、チェコ独自の愛玩犬を目指して作られました。
プラシュスキー・クリサジークは、比較的新しい犬種で2000年代初頭には、ほとんどプラハのみで飼育されていましたが、次第に人気となり、現在ではヨーロッパのドッグショーにも度々出場しています。
プラシュスキー・クリサジークの値段価格
プラシュスキー・クリサジークは、日本にも愛好家がおり、日本の住宅事情に適応したサイズと、友好的な性格から、今後人気が出てくる可能性のある犬種です。
日本に輸入されたのは1998年のことで、まだまだ国内では希少な犬種です。
プラシュスキー・クリサジークの犬種クラブ(プラシュスキー・クリサジーク・クラブ・オブ・ジャパン)が、チェコのクラブ規定に従って繁殖、血統管理をおこなっているため、本犬種の飼育を希望する場合は犬種クラブにアクセスしてみてください。
いつも愛犬と寄り添って過ごしたい人にはぴったりの犬種です。
興味を持たれた方は、ぜひ、本記事でプラシュスキー・クリサジークについて知っていただければと思います。