タイ・リッジバック・ドッグの基礎情報
・日本語表記:タイ・リッジバック・ドッグ
・英語表記:Thai Ridgeback Dog
・原産地:タイ
・発生:自然発生
・種類:原始的な犬/スピッツ
・サイズ:大型犬(41〜61cm)
・体重:オス14kg~19kg、メス14kg~19kg
タイ・リッジバック・ドッグの性格・特徴
タイ・リッジバック・ドッグは、タイ唯一の国際畜犬連盟FCI ( Fédération Cynologique Internationale ) 公認犬種で、タイの古文書にも記されている非常に古い歴史をもった犬種です。
タイ・リッジバック・ドッグの性格
タイ・リッジバック・ドッグは、飼い主や家族に忠実で愛情深い性格です。
保護意識が旺盛のため子供にも優しく接するため、家庭犬としての適性も高い犬種です。普段は物静かで温和ですが、警戒心が強く行動力もあるため、見知らぬ人が近づいてきた時には、家族を守ろうと、吠えることもあります。
賢いため、訓練は入りやすいですが独立心が旺盛のため、初心者には少し難しい犬種です。
訓練された、タイ・リッジバック・ドッグは番犬として非常に優秀で、立派に役割をこなす頼もしい家族の一員となります。
タイ・リッジバック・ドッグの特徴
タイ・リッジバック・ドッグは、原始的な見た目や面影を強く残しています。
1番の特徴は、背中のリッジバック(逆向きに生えた被毛)です。うなじのあたりから尾の付け根まで一筋の毛並みが逆になっています。
さらに「引き締まった筋肉質な体つき」「大きめな立ち耳」「垂れ尾」「黒いマズル」が、この犬種の代表的な特徴です。
足の筋肉はよく発達し力強く長い脚は、非常に高い身体能力を表しています。
古代犬種でありながら近年タイ国外に知れ渡った犬種
タイ・リッジバック・ドッグは、非常に古い歴史をもつ古代犬種ですが、生い立ちはわかっておらず、主にタイの家庭で番犬として飼われ、時にはイノシシやウサギ猟の猟犬として働いていました。
海外に知れ渡ったのは近年のことで、まだまだ世界的に珍しい犬種です。
タイ・リッジバック・ドッグの毛色・目の色
タイ・リッジバック・ドッグの被毛は短く、なめらかです。
犬種名のリッジバックとは、うなじのあたりから、尾の付け根まで一筋の毛並みが逆になっていることをさします。
リッジとはさまざまな形や長さのものがありますが、左右対称で背幅の範囲の中になければなりません。
リッジのクラウン(逆毛のうねりの起点であるつむじ)や、ワール(円状に生えたリッジ)はあってもなくてもよく、ジャパンケネルクラブによると、リッジとそれ以外の部分の境界ははっきりしていなければならないとされています。
抜け毛はありますが、被毛ケアの手間はそれほどかからず、週に1回程度ブラッシングしてあげましょう。
ブラッシングには、皮膚に優しいラバーブラシがおすすめです。
毛色は単色で、レッド、ブラック、ブルー、ごく明るいフォーン(イザベラ)があります。
タイ・リッジバック・ドッグの目は中くらいのアーモンド形で色はダークブラウンですが、毛色がブルーのものはアンバーのこともあります。
タイ・リッジバック・ドッグの鳴き声
タイ・リッジバック・ドッグは、普段は大人しく物静かで落ち着きがあり、吠えることもほとんどありません。
しかし、見知らぬ人が近づいて怪しい動きをした時には、警戒心を抱き吠えることがあります。
賢いため、訓練によって番犬として育てることもできますし、吠えないようにしつけることもできます。
普段の仕草はほのぼのとしていて、基本的なしつけや訓練を行い、飼い主との信頼関係を築くことで、攻撃性をもつことはありません。
屋外飼育も可能な犬種ですが、室内飼育と比較すると、警戒心が強くなる傾向にあります。
子犬のうちから、たくさんの人と触れ合いかわいがってもらうことで、友好的な性格を引き出すといいでしょう。
タイ・リッジバック・ドッグの寿命・病気
タイ・リッジバック・ドッグの寿命は、12〜15歳で、他の大型犬と比較すると長い寿命です。
また、犬種特有の疾患や、命に関わる遺伝性の疾患がほとんどなく、病気に強く頑健で長寿な犬種です。
Dermoid Sinus(類皮腫洞):リッジバックをもつ犬特有の皮膚疾患。タイ・リッジバック・ドッグを含む、リッジバックのある犬種は、皮膚疾患であるDermoid Sinus(類皮腫洞)を発症しやすい傾向です。
遺伝子疾患のひとつであることがわかっており、体が作られる胚発生の初期過程において、神経管がうまく分化して発達できず、背骨に沿ってひとつもしくは複数のコブ状のものができてしまう疾患です。
このコブには、皮脂腺や感染が含まれており、感染すると背骨が痛くなったり、硬直したり、熱をもつことがあります。
重度の場合は命に関わる疾患です。両親からリッジ遺伝子を受け継いでいる場合、この疾患の発症リスクが高いといわれています。
タイ・リッジバック・ドッグのしつけ・飼い方
タイ・リッジバック・ドッグは非常に健康で丈夫な体が特徴の犬種です。タイで生まれた犬種のため、日本で飼育するためにはいくつかの注意点があります。
運動大好きアクティブな犬種
タイ・リッジバック・ドッグは活動的で運動欲求の強い犬種です。
筋肉質な体を維持するためにも、毎日たくさん体を動かすことが大切です。1日30分以上の散歩に2回連れて行きましょう。
他にも、ドッグランで思いっきり走ることもおすすめです。運動神経に優れているため、アジリティなどのドッグスポーツに挑戦してもよいでしょう。
アウトドアで活動的に過ごすことが好きな人が、飼い主に向いています。
寒さに弱いため冬場は注意
タイ原産のタイ・リッジバック・ドッグは、寒さに弱い犬種です。
冬場は、お家の中で暖房器具を使用し、ベッドも毛布などを用意して暖かく過ごせる環境を整えてあげます。お散歩時間も、なるべく暖かい時間を選んで連れて行ってあげましょう。
基本的に丈夫で健康な犬種ですが、冬場に体調の変化があれば、早めに動物病院を受診してください。
なるべく早くトレーニングを開始する
タイ・リッジバック・ドッグは、飼い主には忠実で愛情深い犬種です。
しかし、体も大きく力も強いため、体の小さいうちにしつけやトレーニングをしなければ、コントロールができなくなります。
独立心が強いため、飼い主のことを頼りないと感じると、自分で判断して動こうとしてしまう犬種です。
飼い主は、リーダーシップを発揮し、毅然とした態度で指示を出し、トレーニングを行いましょう。
タイ・リッジバック・ドッグの歴史
約350年前のタイの古文書にタイ・リッジバック・ドッグの記録が残っており、およそ3000年前にすでに存在していた古代犬種のひとつで、ディンゴに近い原始的な犬種であると考えられています。
タイ東部で主に獣猟犬として用いられていましたが、荷馬車の護衛や、番犬としても使用される犬種でした。
タイ・リッジバック・ドッグは、長い年月にわたって昔からの姿形を維持しています。
その理由としては、タイ東部が交通の便が不便な地域であったため、他の犬種との交雑がなかったことや、献身的な所有者によりこの犬種の純血性が守られてきたことが挙げられます。
古い歴史を持った犬種ですが、欧米の愛犬家に発見されたのは最近のことです。ショードッグとして飼育されることも増えましたが、政界的にまだまだ珍しく希少な犬種です。
タイ・リッジバック・ドッグの値段価格
タイ・リッジバック・ドッグは、タイ国外においては珍しく希少な犬種です。
日本においても見かけることはほとんどない犬種で、時々輸入され登録が行われています。日本国内にブリーダーはおらず、迎え入れる場合には、タイからの輸入になります。
ペット輸入代行業者を介して輸入を行うと、現地のブリーダーとのやりとりも代行してくれるため安心です。
費用は、通常諸経費を含めて50万円程度です。
タイ・リッジバック・ドッグは原始的な姿形を保ちながら、飼い主に忠実で非常に丈夫な犬種です。国内で飼育することは、簡単ではありませんが、タイ・リッジバック・ドックに興味を持たれた方は、ぜひ本記事を参考にしていただければと思います。