ショロイツクインツレの基礎情報
・日本語表記:ショロイツクインツレ
・英語表記:Xoloitzcuintle
・原産地:メキシコ
・発生:自然発生
・種類:原始的な犬/スピッツ
・サイズ:中型犬(45〜55cm)
・体重:オスkg~kg、メスkg~kg
ショロイツクインツレの性格・特徴
ショロイツクインツレは、メキシコで昔から親しまれてきたヘアレス(被毛がない)ドッグです。
ショロイツクインツレの性格
ショロイツクインツレは、子犬の頃はやんちゃで陽気な性格ですが、次第に落ち着き穏やかな気質になります。
飼い主のことが大好きで、人懐っこく愛情深い性格です。保護意識が強く子供に対しても優しく接するため、優秀な家庭犬として親しまれています。
一方で、見知らぬ人に対しては用心深く警戒心を抱きますが、攻撃性はないため、番犬としても家庭犬としても適性がある犬種です。
ショロイツクインツレの特徴
ショロイツクインツレの最大の特徴は、被毛がないこと(ヘアレス)です。
ヘアレスは優性遺伝ですが、稀に被毛のある子犬が生まれることがあります。被毛のあるショロイツクインツレは、コーテッドもしくはパウダーパフと呼ばれます。
ヘアレスを生み出す遺伝子は、歯の形成にも影響を及ぼすため、臼歯が欠けていることが度々あります。
他には、「しっかり立ったコウモリ耳」「比較的大きな頭部」が特徴です。
ショロイツクインツレには3つの大きさのバラエティーがあります。それぞれの大きさは、スタンダード(体高:46〜60cm)、インターミディエイト(体高:36〜45cm)、ミニチュア(体高:25〜35cm)です。
「神の犬」と呼ばれる神聖な犬
ショロイツクインツレは、アステカの神話において、生者を守り、冥府の最下層であるミクトランにいたる危険な旅で死者の魂を導くために、ショロトル神が創造した犬とされています。
ディズニー映画「リメンバー・ミー」で、主人公ミゲルと一緒に死者の国を旅した飼い犬ダンテのモデルが、ショロクインツレです。
ショロイツクインツレは、昔からメキシコの文化や人々になじみ深いだけではなく、神聖な存在でした。
ショロイツクインツレの毛色・目の色
ショロイツクインツレは、被毛のないヘアレスタイプと、被毛のあるコーテッドタイプが存在しています。
ヘアレスは、体に全く被毛が生えていませんが、前頭部と首に、短くて強く、密な毛がわずかに生えています。粗毛が足先と尾の先端にしばしば見られることがあります。
コーテッドタイプでは、ボディ全体に被毛が生えていて、腹部および後脚の内側の被毛は非常に少ないです。
毛色は、あらゆる色があります。
被毛のないショロイツクインツレは、犬の毛がアレルゲンとなるアレルギー疾患のある人でも、飼いやすい犬種として知られています。
被毛がないため、寒さには弱く、夏は紫外線などが刺激になりやすいため、防寒やスキンケアが必要です。
ショロイツクインツレの目は、中くらいの大きさで、アーモンド形です。
ジャパンケネルクラブによると、目の色は体色により異なり、ダークの方が好ましく、両目は同色でなければなりません。
ショロイツクインツレの鳴き声
ショロイツクインツレの鳴き声は、甲高い声です。
用心深く警戒心があるため、見知らぬ人に対して吠えることがあります。番犬としての適性はありますが、攻撃性はありません。
非常に利口で、しつけがしやすいため、子犬の頃から根気よくしつけることで、無駄吠えがなくなります。
子犬の時に、さまざまな人にかわいがってもらい、友好的な気質を伸ばしてあげるといいでしょう。
ショロイツクインツレは、家族と一緒にいることを望むため、留守番の時間が長くなると、寂しさから破壊行為や無駄吠えなどの問題行動が増えます。
吠える機会が、増えてきたときは、留守番の時間が長くなっていないか見直すといいでしょう。
ショロイツクインツレの寿命・病気
ショロイツクインツレの寿命は、15〜20歳で、他の犬と比較すると長い寿命です。
この犬種特有の疾患や、命に関わる遺伝性の疾患がほとんどなく、病気に強く頑健で長寿な犬種として知られています。
皮膚炎:かゆみ、赤み、脱毛などさまざまな症状が皮膚にみられる疾患。ヘアレスタイプのショロイツクインツレは、肌を守る被毛がないため、皮膚が弱い犬種です。
冬の乾燥する季節には、犬用のスキンクリームを塗って保湿を行い、夏には強い紫外線に当たらないように、涼しい時間に散歩することが必要です。
肌に異常が現れた時には、早めに動物病院を受診しましょう。
関節炎:関節に負担がかかり炎症を起こす疾患。ショロイツクインツレは、関節に負荷が過度にかかると、関節炎になりやすい犬種です。
室内で飼育する場合には、滑り止めマットを敷いたり、段差にもスロープをつけるなど飼育環境を整えるといいでしょう。
成長期に過度な運動を行うこと、肥満も関節炎のリスクを高めますので、注意してください。
ショロイツクインツレのしつけ・飼い方
ショロイツクインツレは日本においては、なじみのない犬種ですが、原産地メキシコでは、昔から人々の生活に深い関わりをもっており、人間と信頼関係が築きやすいといわれています。
一緒に遊んでストレス発散
ショロイツクインツレは、そこまで多くの運動は必要ないといわれています。
しかし、健康管理や体力維持のために、毎日の運動は欠かせません。毎日2回30分程度の散歩に連れて行きましょう。
それ以外にも、ボールを追いかける遊びや、ドッグランなどで、飼い主と一緒に遊ぶことを好みます。
十分に体を動かすことで、ストレス発散になり、室内でお利口に過ごしてくれますので日頃の様子を見ながらお散歩時間を調整してください。
特有のお手入れが必要
ヘアレスタイプのショロイツクインツレは、被毛ケアの必要はありませんが、代わりにスキンケアが欠かせません。
お湯で濡らし、よく絞ったタオルで体を拭いた後、保湿クリームやローションで皮膚を保護してあげてください。
皮膚を守る被毛がないため、紫外線や乾燥などの刺激に弱いことが特徴です。
乾燥しやすい時期には毎日保湿するなど、皮膚の状態に合わせて、スキンケアの方法や頻度を変えてみてください。
一緒にたくさん過ごして信頼関係を築く
ショロイツクインツレは、家族が大好きで、四六時中一緒に過ごしたいと思っています。
長い時間一緒に過ごすことで信頼関係を築き、精神的にも落ち着き、成犬になると穏やかな気質になります。
しかし、ハウスやケージで一人で過ごす時間をつくらなければ、分離不安症になる可能性があります。
家族の存在を感じるだけでも、安心感を与えることができますので、同じ部屋にいてもそれぞれの時間を過ごせるようにしてください。
ショロイツクインツレの歴史
ショロイツクインツレの起源ははるか昔にさかのぼり、アステカ帝国の成立前から存在していたと考えられています。
本犬種は、土着の犬から派生した固有種でした。
通称「ショロ」と呼ばれ、雷と死の神「ショロトル」とアステカ語で犬を意味する「イツクイントリ」を合わせて名付けられました。
神の犬ともいわれ、神聖な犬として扱われる一方で、特別な儀式の褒美として食されたり、貴重なタンパク源とされてきた歴史もあります。
また、リウマチや頭痛、筋肉痛、不眠などの病人の患部を、ショロイツクインツレが温湿布のように温めることで、症状が改善すると考えられ、医薬品として使われていました。
その後ペットとして家庭で飼育されるようになり、より友好的な個体が好まれ選択繁殖されます。
もともと希少な犬種でしたが、スペインが原産地を侵略した際に、食用にしたことにより、絶滅の危機に瀕してしまいます。
1887年アメリカンケネルクラブに登録されると、のちに国際畜犬連盟FCI ( Fédération Cynologique Internationale ) 公認犬種として登録され、現在はショードッグにも出場しています。
現在、ミニチュア種とトイ種を合わせても、世界中のショロイツクインツレはわずか500〜600頭で希少な犬種です。
ショロイツクインツレの値段価格
ショロイツクインツレは、日本においても非常に希少な犬種で、ペットショップや街中で見かけることはない犬種です。
トイ種など小柄なショロイツクインツレは、日本の住環境にも合うため飼育例はありますが、海外から輸入して迎え入れていることがほとんどです。
現在、ブリーディングは行われておらず、国内で迎え入れることは非常に困難な状況です。
ショロイツクインツレに興味がある方は、ドッグショーなどに足を運んだり、メキシコ旅行などで会いに行くことをおすすめします。
もし迎え入れたい場合には、ペット輸入代行業者などに仲介してもらい、海外から輸入することも可能です。
一般的に、費用は諸経費を含めて50万円程度ですが、本犬種は、世界的にみても希少な犬種ですので、さらに高価になる可能性があります。
ショロイツクインツレの飼育について検討されている方は、ぜひ本記事を参考にしていただければと思います。