
コトン・ド・テュレアールの基礎情報
・日本語表記:コトン・ド・テュレアール
・英語表記:Coton De Tulear
・原産地:マダガスカル
・発生:人為的発生
・種類:愛玩犬
・サイズ:小型犬(25cm~30cm)
・体重:オス 4kg~6kg、メス 3.5kg〜5kg
コトン・ド・テュレアールの性格・特徴
コトン・ド・テュレアールは、アフリカ南東部沖に浮かぶ巨大な島国「マダガスカル」の国犬であり、貴族から水夫までさまざまな人々から愛されている犬種です。
コトン・ド・テュレアールの性格
コトン・ド・テュレアールは、明るく聡明で、遊び好きな性格です。子供や他の動物とも仲良く遊び、さまざまな生活様式にも完全に適応できる柔軟性があります。
夜になると活発になる傾向がありますので、近所迷惑にならないように、落ち着いて過ごせるように、教えてあげましょう。
警戒心がやや強いため、子犬の頃から、家族以外の人に可愛がってもらうなど、社交的な性格を引き出すように育てると良いでしょう。
コトン・ド・テュレアールの特徴
コトン・ド・テュレアールは、「テュレアール港に咲く綿花」という意味の犬種名の通り、綿毛のようにふわふわの可愛らしい見た目が特徴的です。
子犬の頃は、シロクマのぬいぐるみのように愛らしく、ふかふかの抱き心地です。
「垂れ耳」「背中に背負った巻き尾」をもち、明るく生き生きとした表情をしています。
幅広い人々に愛されてきた変わった経歴持ち主
コトン・ド・テュレアールは、貴族の愛玩用犬種として飼育されただけではなく、水夫のお供として、ネズミ捕り、番犬、レトリーバーとしても活躍していました。
そのため、どのような生活様式にも順応する適応力の高さが身についています。
警戒心が強いため、見知らぬ人に対して吠えやすく、番犬としての適性は高いですが、家庭犬として飼育する場合には、しつけが必要です。
水夫と生活を共にし、レトリーバーとして働いていたことから、泳ぎも得意で、水遊びが大好きです。

コトン・ド・テュレアールの毛色・目の色
コトン・ド・テュレアールの被毛は、地色がホワイトですが、わずかな明るいグレー、レッド・ローン(ホワイトとフォーンの混合)が耳にあるのは、許容されています。
ボディの他の部分に、このような色調がある個体もいますが、全体的にホワイトであることが必要です。
犬種名にもなっている、コットン(綿花)のような、むく毛はふわふわしていて、乾いた綿花のような手触りをしています。
被毛は抜けにくく、体臭も少ないです。しかし、被毛が長く汚れやすいため、口元や目の周りなど、常に清潔にできるように、ブラッシングや濡れたコットンで拭き取ってあげましょう。
この犬種のむく毛は、ハサミを使わない方が良い毛質です。日本では珍しい犬種のため、この犬種の受け入れが可能かトリミングサロンに確認が必要です。
コトン・ド・テュレアールの鳴き声
コトン・ド・テュレアールは、警戒心が強いため、知らない人がテリトリーに近づくと吠えることがあります。
声は、そこまで大きくないですが、甲高いため、近隣の迷惑にならないように、むやみに吠えることがないように、しつけや訓練が必要です。
子犬の頃に、家族以外の人からたくさん可愛がってもらうことが大切です。積極的に外に連れ出し、いろいろな経験をさせましょう。さまざまな刺激に触れることで、警戒心をやわらげましょう。
コトン・ド・テュレアールの寿命・病気
コトン・ド・テュレアールの寿命は14歳〜16歳で、病気や怪我の心配が少なく、健康的で丈夫なことが特徴です。
膝蓋骨脱臼:膝の関節が正常な位置からずれてしまう疾患。コトン・ド・テュレアールは活発で元気いっぱいな犬種ですが、関節が弱く、膝蓋骨を脱臼しやすいといわれています。
運動量が多いですが、飛んだり跳ねたりの激しい運動や、階段を駆け上がるなどは控えるようにしてください。
コトン・ド・テュレアールは室内飼育の犬種ですが、フローリングで滑って転んだり、段差から落ちると関節を痛めるため、飼育環境を安全に整えてあげましょう。
膝蓋骨脱臼は、膝蓋骨が正常な位置から外れてしまう疾患で、初期段階では外れたり戻ったりを繰り返し、徐々に悪化していきます。
放置していると、脱臼が元に戻らなくなり、最終的に歩けなくなってしまいますので、歩き方に異常があった場合は動物病院を受診するようにしてください。歩き方を動画に撮っておくと、診察の際に役立ちます。
進行性網膜萎縮:網膜が徐々に薄くなり最終的に失明する疾患。この疾患の原因は、遺伝的要因と考えられており。予防法の無い疾患です。
迎え入れる前に、遺伝子検査や、親犬の病歴の確認をするようにしてください。進行性網膜萎縮症は両側の眼で発症し、徐々に進行するため、初期は症状に気がつきにくい疾患です。
早期発症型と遅発型があり、早期発症型ではかなり早期に暗い環境下で視力が落ちるといわれています。遅発型は、1歳以降に発症し、進行も遅く失明も障害の後期に起こることもあります。
初期症状としては、夜盲といって暗い環境下での視力が著しく低下します。昼間は視力に異常が表れないため、気がつきにくいです。夕方や暗い部屋で、見え方に異常がないか確認しましょう。

コトン・ド・テュレアールのしつけ・飼い方
コトン・ド・テュレアールは、基本的にしつけが入りやすく、初心者でも飼育しやすい犬種といわれていますが、警戒心が強いため、社交的な性格を引き出すように、育ててあげましょう。
体力が豊富で運動が大事
コトン・ド・テュレアールは、活発で元気いっぱいな犬種です。
小柄な体ですが、体力があり散歩は毎日30分から60分欠かさず行うようにしてください。
関節が弱いため、激しい運動は控えて、なるべく硬いコンクリートの上よりも、芝生の上で遊ぶと良いでしょう。
運動が足りないと、ストレスが溜まったり、肥満のリスクがあります。肥満になると、関節に負担をかけ、関節疾患を発症しやすくなりますので、体重管理のためにも、運動は欠かさず行ってください。
飼い主と遊ぶことが大好き
飼い主が大好きで一緒に遊びたがるため、ボール投げやおもちゃなどで、たくさん遊んでください。
また、コトン・ド・テュレアールは、水夫(船乗り)とともに生活してきたルーツがあり、水辺が大好きです。
泳ぐことも得意なので、夏場はとくに、川原やプールなどで遊ばせると喜ぶでしょう。水遊びの後は体をしっかり乾かし、耳に入った水も拭き取ってあげてください。
多少頑固なとことがあるが覚えることは得意
コトン・ド・テュレアールは、多少頑固な一面がありますが、理解力が高く、飼い主のいうことをよく理解してくれます。
そのため、しつけを覚えることが得意な犬種です。
メスの方が比較的独立心が強く、飼い主がリーダーシップを発揮して毅然とした態度でしつけを行うことが大切です。
できたことは、たくさん褒めてあげてください。

コトン・ド・テュレアールの歴史
コトン・ド・テュレアールは、マダガスカル原産の犬種で、フランス領レユニオン島原産の犬種であるコトン・ド・レユニオンの、直系の子孫と考えられています。
コトン・ド・レユニオンに、ハバニーズやマルチーズ、ビション・フリーゼなどの犬種を、交配させ作られました。
本犬種は、貴族の愛玩犬としてだけではなく水夫のお供として働いてきた経歴をもっています。
一時期は貴族族以外の一般市民は、コトン・ド・テュレアールを飼育してはいけないという法令が出たこともありました。
1960年代後半になると、ヨーロッパ各国に輸出されました。
1970年に初めて、フランスで犬種の公認を受けると、家庭犬として急速に人気が高まりました。日本においては、まだ希少な犬種ですが、世界的に人気があります。
アメリカやカナダ、イギリスなどで人気を得ていますが、一方で原産地であるマダガスカルは政情不安定のため、本犬種の数が激減し、貴重な存在となっています。
コトン・ド・テュレアールの値段価格
コトン・ド・テュレアールは、残念ながら日本でブリーディングは行われていません。
しかしながら、ジャパンケネルクラブによると、2014年以降2、3年に一度10頭未満の犬籍登録が行われており、徐々に飼育件数が増えている傾向があります。
現在は、国内購入することが難しい現状ですので、本犬種を飼育したい場合には、海外からの輸入が必要です。
ペットの輸入代行業者を利用すると、現地のブリーダーとのやりとりを代行してくれますが、諸経費を含めて50万円程度かかるといわれています。
コトン・ド・テュレアールは、警戒心の強さによる吠えのしつけは必要ですが、コンパクトな体と、順応性の高さから、日本でも飼育しやすい犬種です。
現在、日本国内で迎え入れることは難しいですが、本犬種に興味を持たれた方は、ぜひこの記事を参考にしていただければと思います。