スフィンクスの基礎情報
・日本語表記：スフィンクス
・英語表記：Sphynx
・原産地：カナダ
・発生：突然変異
・毛種：無毛種
・体格：セミフォーリン
・体重：オス3～5キログラム、メス3～4.5キログラム
・公認団体：CFA ・ TICA ・ FIFe ・ GCCF
スフィンクスの性格・特徴
スフィンクスは、被毛がない無毛種の猫です。とても特徴的な外見をしているので、1度見ると忘れられないインパクトがある容姿です。
スフィンクスの性格や特徴、スフィンクスのように被毛がない猫を紹介します。
スフィンクスの性格
スフィンクスは、とても人懐っこく、甘えん坊な性格をしています。
飼い主さんにはとてもよく懐き、社交的な性格で、あまり人見知りをしません。
好奇心旺盛で活発なところもスフィンクスの魅力で、飼い主さんに「一緒に遊ぼう！」とアピールするかわいらしい一面があります。
スフィンクスの特徴
スフィンクスは、被毛がない無毛種に分類されている猫です。
無毛種と言っても、体には産毛が少しだけ生えています。
顔は丸みがあるくさび型で、目は大きくレモンのような形をしています。外見では耳が大きいことも、スフィンクスの特徴です。
体は筋肉質で、被毛がないため、首や胸、お腹などにしわが寄っているのが見えます。しっぽもすらっと長く、先に行くほど細くなっています。
スフィンクスは、映画「E.T.」のモデルになったともされている、外見が個性的な猫です。
スフィンクスに似ている被毛がない猫種
スフィンクスのように、被毛が生えていない猫種は、ほかにも存在しています。
被毛がほとんど生えていないのは、ロシアが原産のドンスコイ（ドンスフィンクス）、ピーターボールドなどです。
スフィンクスは、デボンレックスの遺伝子も受け継いでいるため、外見はデボンレックスにも少し似ています。
スフィンクスの毛色・目の色
スフィンクスは、毛の色、パターン（柄）、目の色のどれも豊富なカラーがあります。
毛色は、ブラック、ホワイト、チョコレート、シナモン、レッド、フォーン、クリーム、ラベンダー、ブルーなどです。
模様は、ソリッド、タビー、シルバー＆ゴールデン、スモーク＆シェーデッド、パーティカラー、キャリコ＆バイカラー、タビー＆ホワイト、ポインテッド、ポインテッド＆ホワイトなどがあります。
目の色もとても豊富で、サファイアブルー、ブルー、アクア、グリーン、ヘーゼル、イエロー、ゴールド、オレンジ、カッパー、オッドアイなどです。
被毛がほとんど生えておらず、皮膚が見えているような状態であるため、ホワイトの毛色はピンクのように見えることがあります。
また被毛がないという特徴から、暑さや寒さにはとても弱い猫種です。子猫の頃は、特に室内の温度管理には注意してあげてください。
スフィンクスの鳴き声
スフィンクスは、鳴き声が小さい猫なので、集合住宅でも飼いやすいです。
飼い主さんにはよく懐き、知らない人とも仲良くできる子が多いので、「シャー」「ウゥー」と威嚇することも少ないです。
「シャー」「ウゥー」という声は、怒っているときや警戒しているときなので、あまり刺激しないようにしましょう。
鳴き声を聞くと気持ちがわかることも多いので、ぜひ愛猫の鳴き声に注目してみてください。
「みゃ〜」「にゃ〜」というよく聞く猫の鳴き声は、甘えていたりごはんが欲しいときの声です。
猫はしっぽが膨らんでいたり、毛が逆立っていることによって、怒っているのだと観察することができます。
しかし、スフィンクスの場合は、被毛がほとんどないので、毛の状態で感情を判断することができません。そのため、鳴き声や体の姿勢を見て、どのような気持ちなのかを考えてみてください。
スフィンクスの寿命・病気
スフィンクスの寿命は、13〜15歳といわれているので、猫の平均的な寿命と大差はありません。
スフィンクスは、遺伝の関係で心臓の病気を発症するリスクが高いと言われています。
また、無毛種であることから、皮膚の疾患になる可能性もありますので注意しましょう。スフィンクスが好発する疾患を紹介します。
耳疥癬症（ミミヒゼンダニ症）：ミミヒゼンダニというダニが、猫の耳に寄生することで発症する疾患。かゆみや耳垢の量が増えるなどの症状があり、外耳炎を併発することもあるため、耳の中をまめに見るようにしてください。
肥大型心筋症：心臓の筋肉が厚くなることで、心臓の働きが悪くなって、不整脈などを起こす疾患。
脂漏性皮膚炎（マラセチア皮膚炎）：皮膚が脂っぽくべたっとする皮膚疾患。獣医さんの診察を受けてから、薬やシャンプーによって、症状を改善するための治療が行われます。
また、夏の紫外線にも弱く、日光を浴びすぎてしまうと、皮膚癌になることもあります。日向ぼっこが好きな猫ちゃんのために、カーテンを完全に締め切ってしまうのではなく、レースカーテンやUVカットのシートを貼るなどで対策を行いましょう。
スフィンクスの飼い方
スフィンクスは、被毛がほとんど生えていないので、暑さや寒さに弱い猫です。
特に夏場と冬場は、室内の温度管理をしっかり行ってあげましょう。
室内の温度管理に注意する
被毛がほとんどないスフィンクスは、暑い夏や寒い冬が苦手です。
夏場は20〜28℃、冬場は23℃が適温だとされていますが、飼い主さんの体感もあるかと思うので、無理のない範囲で温度調整をしていきましょう。
スフィンクスは、外交的な性格をしているので、寒さ対策なども含めて、ほかの犬や猫に寄り添って眠ることもあります。
また、夜も飼い主さんのベッドで張り付いて眠ることがあります。体温を維持するために、誰かの温もりを求めているのかもしれません。
寒さや紫外線対策のために服を着せる
スフィンクスは、被毛によって紫外線の量を軽減することができないため、皮膚にもろに紫外線を浴びてしまいます。
寒さや紫外線対策として、猫用の洋服を着せることをおすすめします。
ただし、服が苦手で嫌がってしまう猫もいます。服の感触が嫌で脱ごうとして、体を痛めてしまうこともありますので、無理をしてまで着てもらう必要はありません。
首輪なども嫌がることがありますので、服や首輪、靴下などは、猫の性格を考慮して着用するようにしてください。
猫の体質に合ったシャンプーを使用する
スフィンクスは、皮膚がべたっとする脂漏性皮膚炎を発症しやすい猫です。
体質に合わないシャンプーを使っていることも、脂漏性皮膚炎の原因ではないかと言われているので、愛猫の体質に合ったシャンプーを使用するようにしましょう。
シャンプーは、脂漏性皮膚炎になりやすい猫用の商品や、低刺激の商品がありますので、ペットショップなどで探してみてください。
スフィンクスは、皮膚にしわができるので、毛穴から出る分泌液がしわに溜まりやすいです。
1日に1回は、濡らしたタオルなどで、皮膚のしわの汚れを拭いてあげましょう。
スフィンクスの歴史
スフィンクスのように被毛がない猫は、昔から存在していたようで、世界各地で記録が残っています。
スフィンクスは、1960年代のカナダのトロントで生まれた、被毛が生えていない猫から始まりました。
この猫は、プルーンと名付けられて繁殖が行われましたが、繁殖の過程で遺伝の疾患が原因で、子孫を今日まで残すことができませんでした。
しかし、カナダとアメリカでは、またも毛の生えていない猫が見つかったため、この猫たちをもとに繁殖が進められました。
1970年代になると、アメリカのマークスティン夫妻によって、被毛が生えていない猫とでボンレックスの交配が行われました。そして、1980年にTICAで公認されました。
スフィンクスは、その名前からエジプトが原産の猫だと思われる方が多いですが、出身はカナダで突然変異によって誕生しました。
名前の由来は、エジプトのスフィンクスに似ていることから名付けられました。しかし、猫種の名前のスフィンクスと、エジプトの像のスフィンクスは、英語の綴りが違うので注意してください。
スフィンクスは、映画「E.T.」のモデルになったとも言われる個性的な猫です。
現在は、世界中の人から愛される猫種となっていて、CFA ・ TICA ・ FIFe ・ GCCFなどの多くの公認団体から認定されています。
スフィンクスの値段価格
スフィンクスは、ペットショップやブリーダーから入手することができます。
スフィンクスの価格は、ペットショップでは30〜50万円ほどが相場です。ブリーダーから迎える場合は、28〜45万円ほどが相場となっています。
スフィンクスは、あまり見かけない猫種ではありますが、ペットショップでも購入できる猫種です。
しかし、ペットショップとブリーダーでの販売価格は、ピンからキリまであるため、50〜60万ほどで取り引きされることも多いです。
スフィンクスは、ほかの猫種よりも値段が高い傾向があります。そのため、あまりにも安い場合は、病気などの問題を抱えていることも考えられるので、親猫や子猫の様子などを聞いてみましょう。
スフィンクスは、被毛がない珍しい猫種です。クリっとした目がかわいらしく、甘えん坊で飼い主さんと一緒に寝てくれる愛らしさがあります。
スフィンクスを飼いたいと思われた方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
