アメリカン・スタッフォードシャー・テリアの基礎情報
・日本語表記：アメリカン・スタッフォードシャー・テリア
・英語表記：American Staffordshire Terrier
・原産地：アメリカ合衆国
・発生：人為的発生
・種類：テリア
・サイズ：中型犬（43～48cm）
・体重：オス25kg～32kg、メス18kg～25kg
アメリカン・スタッフォードシャー・テリアの性格・特徴
アメリカン・スタッフォードシャー・テリアは、闘犬として作られた犬種ですが、闘犬が禁止されてからは、攻撃性を排除して繁殖されました。
アメリカン・スタッフォードシャー・テリアの性格
アメリカン・スタッフォードシャー・テリアは、勇敢で適応力と知性にあふれた犬種です。
肝が据わっており、危険が及んだ時にも恐れることなく、大胆な態度を取る性格をしています。防衛本能も強く、飼い主には忠実で献身的、愛情深く接してくれます。
こうしたアメリカン・スタッフォードシャー・テリアの性格の性格は多くの愛犬家が認めており、ドッグショーでも人気を得ています。
家族の人に対しても社交的に接することができます。しかし他の犬に対しては、今でも闘争心を剥き出しになってしまうことがあるため注意しましょう。
アメリカン・スタッフォードシャー・テリアの特徴
アメリカン・スタッフォードシャー・テリアは、体のサイズに似つかわしくない強靭さを備えています。
筋肉が非常に発達し、力強さと素早さを兼ね備えながら、優雅さもある犬種で、ドッグショーの世界で確固たる地位を占めています。
足は長くもなくか細くもなく、ずんぐりしています。
頭部は中くらいの長さで、厚みがあり、スカルは広いです。ストップ（両目の間にある、スカルとマズルの接続部のくぼみ）ははっきりとしていて、筋肉が際立った頬をしています。
耳は、付け根が高く、断耳をしていることもありましたが、現在ではしていないことが多いです。
断耳していない耳は短く、ローズイヤー（耳を後方に寝かせ折りたたむ小さな垂れ耳）が半直立耳です。
元々はは闘犬のテリア犬
アメリカン・スタッフォードシャー・テリアは、穏やかな気質になってはいますが、闘犬としての名残が随所にみられます。
アゴが発達し、非常に強い力を持っています。足は重心が低く、相手の攻撃を交わし機敏に動くことに適している体型をしています。
人に対しての気質は、家庭犬に適したものとなっていますが、それでもこの犬種は、飼い主のしつけや訓練の手の掛け方次第で、可愛らしい犬にも、攻撃的な犬にもなりやすいことを忘れてはいけません。
中型犬の体型ではありますが、筋肉が非常に豊富なため、体や顎の力が大変強いため、しっかりコントロールできるようにしつけや訓練に手を尽くし、愛情をかけて育ててあげましょう。
アメリカン・スタッフォードシャー・テリアの毛色・目の色
アメリカン・スタッフォードシャー・テリアの毛は、ツヤのある短毛で手触りは堅く、密に生えています。
ジャパンケネルクラブによると、毛色はすべての色があり、ソリッド、パーティー・カラー、パッチ（不規則で大きな斑）もあります。
被毛のお手入れは、比較的簡単で週に1度程度のブラッシングをしてあげましょう。
抜け毛は短い毛のため、目立ちませんが、抜け毛があるため、定期的なブラッシングは行うようにしましょう。
普段は、お湯で濡らし堅く絞ったタオルで、体を拭いてあげることで汚れを落とすこともできます。
換毛期には抜け毛が増えますので、シャンプーをすることで抜け毛をまとめて取り除くこともできますのでおすすめです。
アメリカン・スタッフォードシャー・テリアの鳴き声
アメリカン・スタッフォードシャー・テリアは、しっかりとしつけや訓練を行うことで、無駄吠えを少なくすることができます。
とくに服従訓練が重要で、訓練が完了すれば、飼い主に対して従順な犬種のため、よくいうことを聞いてくれます。
また、子犬の頃から、たくさんの人に触ってもらったり、犬に慣れさせて社会性を身につけさせましょう。
人に対しては社交的になりやすい性格ですが、他の犬に対しては闘争心を抱きやすいところがあります。
しつけを行っても、散歩中などに他の犬から吠えられたり喧嘩をしかけられると攻撃的な面が出て吠えることがあります。
散歩中はしっかりリードをつかんでおきましょう。
アメリカン・スタッフォードシャー・テリアの寿命・病気
アメリカン・スタッフォードシャー・テリアの寿命は、12歳から16歳程度で他の中型犬の寿命と比較すると平均的な寿命です。
股関節形成不全：股関節が正常に形成されず、歩行に異常が現れる疾患。
急激に体が大きくなる大型犬や超大型犬に多く発症する疾患ですが、アメリカン・スタッフォードシャー・テリアにも注意が必要な疾患です。
原因は遺伝的素因が大きいですが、成長期の過度な運動や肥満になることで、関節に負荷がかかることも原因となります。
アメリカン・スタッフォードシャー・テリアは活発な犬種のため、子犬の時はやんちゃですが、成長期階段を駆け上がらせたり、ジャンプを繰り返すなど、関節に過度な負荷をかけないように気をつけましょう。
皮膚炎：さまざまな原因で皮膚に炎症が生じる疾患。
アメリカン・スタッフォードシャー・テリアは、アトピー性や、日光性、甲状腺機能低下などあらゆる皮膚疾患が生じやすい犬種です。
ブラッシングの際に、皮膚状態をよく観察し、異常が見られた時には症状が軽いうちに動物病院を受診するようにしましょう。
腫瘍：無秩序に細胞がどんどん増殖する疾患。アメリカン・スタッフォードシャー・テリアは、良性悪性にかかわらず腫瘍ができやすい犬種です。
腫瘍は細胞の塊のことをいい、皮膚もしくは皮下組織にできる塊の腫瘤や液体が入った袋状の嚢胞などとは区別されます。
良性腫瘍は、周りに転移せずにその部分でのみゆっくりと大きくなるものです。
対して悪性腫瘍は、周りの正常な組織に染み込むように広がったり、血液やリンパ管を通って他の臓器に広がったり、犬の体に悪影響を及ぼすものを悪性腫瘍といいます。
アメリカンスタッフォード・テリアは、闘犬の名残から、痛みに強い体質のため体の異常に気がつきにくいところがあります。飼い主が日常ケアを行いながら、体の状態を細かくチェックしてあげましょう。
また、子犬のうちから耳の中や口の中をみられることに慣れさせておくことも大切です。
アメリカン・スタッフォードシャー・テリアのしつけ・飼い方
アメリカン・スタッフォードシャー・テリアは飼い主のしつけ次第で、忠実な良犬にも、猛犬にもなる犬種です。
飼い主には、この犬種の気質をよく理解することと、高い訓練スキルが求められます。
しつけは上級者向け
アメリカン・スタッフォードシャー・テリアは、頑固な一面があるため、ややしつけしにくく、上級者向けの犬種です。
服従心が強いため、しっかりしつけができれば非常に飼いやすい犬になります。子犬の時に愛情をかけながらも、威厳を持って接することでリーダーシップを取りましょう。
しつけに自信がない場合は、しつけ教室を利用することを検討してもいいかもしれません。
散歩は大人が行うこと
アメリカン・スタッフォードシャー・テリアはしつけを行っても、他の犬に対して闘争心を抱きやすい気質を残しています。
普段は穏やかで従順でも、散歩の時に出会った犬が攻撃的だった場合や、吠えられると、アメリカン・スタッフォードシャー・テリアの闘争心のスイッチが入ってしまう可能性があります。
突発的に動こうとしても、リードコントロールが行えるように、大人が散歩を行うことが必要です。また、静止命令をよく聞くように普段から訓練しておきましょう。
運動は欠かせないが方法には注意
アメリカン・スタッフォードシャー・テリアは、スタミナが豊富でたくさんの運動が必要な犬種です。
1日2回、30分〜1時間ずつ散歩をする必要があります。
また、散歩以外にも運動を行うことが理想的ですが、運動の方法は、興奮性を強く引き出してしまうような刺激の遊びは避けた方がいいでしょう。
指示通りに動くことや、もってこいの遊びなど、この犬種の服従心を引き出すトレーニングで運動を行うことをおすすめします。
アメリカン・スタッフォードシャー・テリアの歴史
アメリカン・スタッフォードシャー・テリアは、11870年代にイギリスからの移民によってアメリカに渡ったスタッフォードシャー・ブルテリアを改良したものとされています。
比較的大きな犬が好まれるアメリカでは、スタッフォードシャー・ブルテリアにマスティフなどの大きな犬と交配させ、体が大きくなるように改良しました。
また、スタッフォードシャーテリアを選択交配し、闘犬として闘争心が強く力強い犬を作ろうとする人たちが作り上げた犬種が、アメリカン・ピットブルテリアです。
アメリカン・ピットブルテリアとアメリカン・スタッフォードシャー・テリアは、外見は区別がつかないほどよく似ています。
闘犬が広く行われていた19世紀後半まで、この2犬種は同じ犬種として扱われていました。
しかし、20世紀になって闘犬が禁止されると、この犬種をペットとして飼いたいと考えた愛好家たちが、闘犬向きで攻撃的な性格を持つ個体を繁殖から取り除く努力を始めます。
その結果、計画的・選択的は繁殖により穏やかな性格を与えられたアメリカン・スタッフォードシャー・テリアは、1972年にはこの犬種名で正式に公認を受けることになりました。
現在では、この犬種の長い名前を縮めて「アム・スタッフ」という愛称で親しまれています。
アメリカン・スタッフォードシャー・テリアの値段価格
アメリカン・スタッフォードシャー・テリアは、現在ショードッグやペットとして飼育されており、日本においても、やや人気のある犬種です。
毎年国内登録が行われていますが、ペットショップで見かけることはありません。ブリーダーも限られているため、飼育を希望する場合は、早めに見学の予約を入れるといいでしょう。
価格は20万円前後になります。
市区町村によっては、「飼育を禁止している」「アパートやマンションでは飼えない」などの飼育条件があります。事前に、住まいの市区町村に問い合わせておきましょう。
アメリカン・スタッフォードシャー・テリアをする前には、必ずこの犬種の気質を十分に学び、飼育環境や、困ったときには相談できる訓練士などを探しておくと安心です。
アメリカン・スタッフォードシャー・テリアは、ドッグショーで会うことができるため、まずはドッグショーに足を運んでみてはいかがでしょうか。
その際にぜひ本記事を参考にしていただければと思います。
