スコティッシュ・テリアの基礎情報
・日本語表記:スコティッシュ・テリア
・英語表記:Scottish Terrier
・原産地:イギリス
・発生:自然発生
・種類:テリア
・サイズ:小型犬(25.4~28cm)
・体重:オス8.5kg~10kg、メス8kg~9.9kg
スコティッシュ・テリアの性格・特徴
スコティッシュ・テリアは、「スコッティ」という愛称でも親しまれ、アメリカのルーズベルト元大統領やブッシュ元大統領が愛犬として飼育していたことから一躍有名になった犬種です。
スコティッシュ・テリアの性格
スコティッシュ・テリアは、テリア犬らしい気性と、強い警戒心から、他の犬に対して勇敢に挑もうとするところがあります。
頑固で気難しい一面もあり、しつけは初心者には難しいです。
飼い主に対しては従順ですので、服従訓練を根気よく行い子犬のうちにしっかりとしつけをしましょう。
遊び好きで動くことが好きなので、アウトドアでアクティブに過ごすことが好きな人に向いている犬種です。
スコティッシュ・テリアの特徴
スコティッシュ・テリアは、アナグマやカワウソ猟をしていたことから、がっしりしており、地中に潜るのに適したサイズと短い脚をしています。
短い脚をしていますが、動きはすばしっこく活動的です。
首や背中、腰などは筋肉質で、後ろ足の太ももには厚みがあります。頭部はサイズの割に長い印象があり、口が大きく筋肉がよく発達し捕らえた獲物を逃がしません。
トップライン(横からみた上側のライン)は真っ直ぐで、平らになっており腰は筋肉質で深くなっています。
頑固な性格はテリア系の中でも随一
スコティッシュ・テリアは、他のテリア犬と同じかそれ以上に警戒心が強い犬種です。
また、独立心と自意識が強く、知的なことで知られていて、厳しい性格と並はずれた頑固さから「最後まで抵抗する頑固者」と呼ばれています。
ベタベタと甘えるタイプではなく、距離感を取ろうとするため、よそよそしく見える時もありますが、飼い主や家族には非常に忠実で深い愛情を注いでくれます。
子犬の頃からしっかりとしつけや訓練を行うことが必須です。
スコティッシュ・テリアの毛色・目の色
スコティッシュ・テリアの毛は、体に密着したダブルコートです。
下毛は短く、密でやわらかく、上毛は堅く密でワイアー(針金状の堅い被毛)になっており、雨風に耐えられる被毛になっています。
毛色は、ジャパンケネルクラブによると、ブラック、ウィートン、ブリンドルのいかなる色調でも良いとされています。
抜け毛は少ないですが、美しい外見を維持するために月に1回程度のカットが欠かせません。
体臭は犬種特有のニオイがあり、特に子犬の時にはニオイが強いです。皮脂の分泌が多く、被毛のベタつきや体臭が気になる時には、ブラッシングやシャンプーをしてあげましょう。
目の色はダークブラウンで、かなり離れて眉毛の下に深くついています。知的で利口な表情をしており、アーモンド形をしています。
スコティッシュ・テリアの鳴き声
スコティッシュ・テリアは、警戒心が強い犬種ですが、不必要には吠えず、番犬にも適しています。
鳴き声は、小さな体に似合わず太い鳴き声をしています。人間に対しては友好的なため、人に対して吠えることはありません。
他の犬や動物に対しては、負けん気の強さを見せるため、子犬のうちからたくさんの犬や動物と触れ合わせるといいでしょう。
散歩の時に吠えてもすぐにやめられるように、静止命令をよく聞くようにしつける必要があります。飼い主には非常に忠実な犬種のため、子犬のうちにしっかりと服従訓練を行うようにしましょう。
スコティッシュ・テリアの寿命・病気
スコティッシュ・テリアの寿命は、12〜15歳で他の小型犬の寿命と比較すると平均的な寿命です。
悪性リンパ腫:血液中のリンパ球が、腫瘍性に増殖した悪性腫瘍。犬の腫瘍中では発生率が高く、犬の主要全体の7〜24%を占めています。
発生年齢は、生後6ヶ月から15歳と幅広い範囲で認められていますが、一般的には中〜高齢(5〜10歳)の頃に発生します。性別差はありません。
リンパ腫は全身をめぐる血液中の白血球が癌化するため、体のほぼ全ての組織に発生する可能性があります。その発生する場所の違いにより、症状や予後が異なります。
フォンビレブランド病:血が止まりにくくなる遺伝性血液疾患。
止血の最初の過程で、血小板が集まってくる際にフォンビレブランド因子が止血因子として重要な役割をしています。
このフォンビレブランド因子が血中に先天的に少ない、もしくはない、十分に機能しない物をフォンビレブランド病といいます。
スコティッシュ・テリアは、フォンビレブランド因子が血中にまったくないことがあります。これは、重度の止血異常が起こり命に関わります。鼻血や大きな外傷、手術などには命に関わることもあります。
血液検査や、診察でも診断ができるため、去勢避妊手術など受ける前に必ず検査してもらいましょう
スコッチ痙攣:全身性の痙攣を起こす疾患。劣性遺伝による、遺伝性の疾患です。
外見上は、痛みのない四肢背、尾椎の硬直を特徴とする機能障害があります。痙攣は15〜30秒でおさまり、興奮時に症状がでやすいです。
治療は、内服治療により行われますが、情報があまりない疾患です。
スコティッシュ・テリアのしつけ・飼い方
スコティッシュ・テリアは、頑固で気難しい性格をしているため、子犬時代にどれほど手間と時間と愛情をかけてしつけられるかが鍵となります。
しつけと訓練は根気よく
スコティッシュ・テリアは、成犬になるとベタベタすることを好まず距離感を取ろうとする犬種です。
頑固で気難しくなる前にしっかりとしつけや訓練を行うことが大切です。気に入らないことは、決して従わない気質ですが、飼い主に対しては従順なため、服従訓練を根気よく行うようにします。
また、動物病院に受診するときに困らないように、子犬のうちから、誰からどこを触られても怒らないようにしておいた方がいいでしょう。
子犬のうちから同じ動物病院、同じ先生に診てもらうなど決めておくといいかもしれません。
元狩猟犬の欲求を満たす運動
スコティッシュ・テリアは、元々猟犬であったことから、俊敏に動ける頑丈な体をしています。
1日2回30分ずつの散歩を欠かさず行い、散歩に加えて、ひっぱりっこ遊びをすると、狩猟犬の欲求が満たされて喜びます。
運動不足や欲求不満は、ストレスとなり、問題行動や、体調を崩すことがあるため気をつけてあげましょう。
室内での事故に気をつけて
スコティッシュ・テリアは室内では、比較的大人しく過ごす犬種です。
好奇心旺盛なテリアらしい性格もあるため、子犬の頃は、ゴミ箱にフタをして漁らせない、誤飲に気を付ける、電気コードをかじられないように、高いところに設置するなど注意してあげましょう。
とくに留守番の時は、慣れるまでは、ケージなどの中で過ごさせるなど、安全なところで過ごせるようにしてあげましょう。
スコティッシュ・テリアの歴史
スコティッシュ・テリアは、はじめハイランド地方のアバディーン市付近で、飼われていたためアバディーン・テリアと呼ばれていました。
1800年代後半まで、スコットランド出身の小型テリアはすべて「スコッチ・テリア」と呼ばれていました。
1870年代になると、大まかなくくりでしか無かった「スコッチ・テリア」を細分化しようという動きが高まり、1873年にダンディ・ディンモント・テリアが独立します。
この時、それ以外のすべてのテリアは「スカイ・テリア」と呼ばれるようになり、1881年になると、スカイテリアは、「スカイ・テリア」と「ハード・ヘアード・テリア」に分離しました。
さらに「ハード・ヘアード・テリア」は「ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア」「ケアーン・テリア」「スコティッシュ・テリア」に区分されました。
こうして、やっと今日のスコティッシュ・テリアが生まれたのです。
犬種標準の確立には、1870年代に存在していた「Splinter ll」というメス犬が大きな影響を及ぼしていることがわかっており、現存するスコティッシュ・テリアのは、この犬の血統が混ざっているとされています。
アメリカでは、第二次世界大戦後、フランクリン・ルーズベルト大統領の愛犬が「ファラ」という名のスコティッシュ・テリアだったことから人気が出ました。
スコティッシュ・テリアの値段価格
スコティッシュ・テリアの子犬の価格は、38万円程度です。
スコティッシュ・テリアは見た目が特徴的で印象深い犬種ですが、見た目の好みで購入を決めないでください。
スコティッシュ・テリアは良くも悪くもテリア犬らしい気質を持っており、頑固で気難しい性格であることから、初心者には向いていません。
スコティッシュ・テリアを迎え入れる前に、テリア犬の気質を十分に理解して飼育する必要があります。
もし、この犬種に興味がある場合には、ブリーダーやドッグショーに足を運び見学をしてみてください。その上で、十分にこの犬種について学び飼育していただければと思います。
子犬のうちのしつけが大変重要で、苦労も多いかもしれませんが、手をかけた分愛情で返してくれる犬種です。
スコティッシュ・テリアに興味がある方は、ぜひ本記事を参考にしていただければと思います。