ヨーロピアンバーミーズの基礎情報
・日本語表記:ヨーロピアンバーミーズ
・英語表記:European burmese
・原産地:ミャンマー
・発生:自然発生
・毛種:短毛種
・体格:コビー
・体重:オス3~5.5キログラム、メス3~5キログラム
・公認団体:CFA ・ TICA ・ FIFe ・ GCCF
ヨーロピアンバーミーズの性格・特徴
ミャンマー原産の「バーミーズ」は、「アメリカンバーミーズ」と「ヨーロピアンバーミーズ」の2種類がいます。今回は、「ヨーロピアンバーミーズ」について紹介していきます。
ヨーロピアンバーミーズの性格
ヨーロピアンバーミーズは、賢くて穏やかな性格をしています。
遊び好きで飼い主さんに甘えることが何よりも好きな猫です。
性格はアメリカンバーミーズと違いはあまりなく、どちらも甘えん坊で、飼い主さんと一緒に遊ぶことが大好きです。嫉妬深い性格ではないので、ほかの猫とも仲良くできるため、多頭飼いに向いている猫種です。
ヨーロピアンバーミーズの特徴
頭はやや丸く、くさび型をしています。頬は幅が広く、輪郭は緩やかにカーブがありますが、まん丸というよりは逆三角形のような形で、スッとした美しい顔立ちをしています。目は上がカーブを描いているため、キリっとした凛々しい顔に見えます。
ボディはさほど大きいわけではありませんが筋肉質で、抱き上げるとずっしりとした重みがあります。一見小柄のように見えますが、見た目よりもずっと重く感じられます。足はほっそりとしていて、立っているときにはモデルのように長く見えます。
被毛は短く密集して生えていて、サテンのように光沢があります。
アンダーコートは、ほとんど生えていません。
アメリカンバーミーズとの違い
日本ではアメリカンバーミーズの方が認知度が高く、ヨーロピアンバーミーズはあまり知られていません。性格はどちらも甘えん坊で、飼い主さんが好きという点において大きな違いはありません。
とても知的で物分かりのよい賢い猫種であるため、しつけで困ることは少ないでしょう。
外見はヨーロピアンバーミーズの方が、ややシャム猫に近いです。丸っとした顔立ちのアメリカンバーミーズと比べると、細くすらりとした顔立ちが特徴です。
アメリカンバーミーズよりも、ヨーロピアンバーミーズの毛色は種類が多いことも両者の特徴の違いです。
ヨーロピアンバーミーズの毛色・目の色
アメリカンバーミーズの毛色は、セーブル、シャンパン、ブルー、プラチナの4色ですが、ヨーロピアンバーミーズは毛色が10色と非常に多いです。
ヨーロピアンバーミーズの毛色は、ブラウン、チョコレート、レッド、ブルー、ライラック、クリーム、ブラウントーティ、チョコレートトーティ、ブルートーティ、ライラックトーティの10色です。
ヨーロピアンバーミーズのパターン(模様)は、頭、体、足、尾がすべて同じである単色のソリッドと、体に2色の色が混ざっているパーティカラーになります。
目の色は、イエロー、ゴールド、アンバーの3色で、左右で目の色が異なるオッドアイの目は見られません。また、ブルーやグリーンなどの目の色も見られません。
毛色やパターンが多いことは、ヨーロピアンバーミーズの魅力のひとつでもあります。
ヨーロピアンバーミーズの鳴き声
バーミーズは飼い主さんの声がけによく反応して、「にゃ〜」と答えてくれることから、「話し好きの猫」とも言われています。
ヨーロピアンバーミーズは、鳴き声が小さく、鳴く頻度も少ないため、集合住宅でも飼いやすい猫として知られています。
甘えん坊なので飼い主さんが遊んでくれないと、寂しくて大きな声で「一緒に遊ぼう!」と訴えかけるように鳴くことがあるかもしれません。
飼い主さんがかまってくれないと、ストレスになってしまうことがありますので、コミュニケーションはしっかりと取るようにしましょう。
独特な声で鳴くシャム猫ほどではありませんが、ヨーロピアンバーミーズもクセのある低い声で鳴くことがあります。鳴き声を聞くことはあまりないので、大きな声で鳴いて飼い主さんが眠れなくなるなど、ストレスになるようなことは少ないです。
ヨーロピアンバーミーズの寿命・病気
ヨーロピアンバーミーズの寿命は、13〜15歳といわれているので、猫の平均とほぼ変わりはありません。
ヨーロピアンバーミーズは、シャム猫と交配されたため遺伝的にも影響を受けています。
また、アメリカンバーミーズともルーツが近いため、シャム猫とアメリカンバーミーズが好発しやすい疾患は、ヨーロピアンバーミーズも発症する可能性が高いと考えられます。
アメリカンバーミーズと同じく、目や心臓の疾患を発症することがあると考えられるため、日頃から様子を観察して、しっかりと健康管理を行っていきましょう。
緑内障:目の水が増えすぎてしまうことによって、眼圧が高くなる疾患。失明する危険性もある。
流涙病:涙焼けとも呼ばれています。涙が過剰に分泌される、炎症が起こっている、鼻涙管が狭いなどが原因で、常に涙が溢れてしまい、目の下が赤茶色く変色してしてしまう疾患。
尿路結石:水分の不足、ビタミン摂取の偏り、先天性、ストレスが原因で発症すると考えられている泌尿器の疾患。
皮膚疾患:ノミやダニ、アレルギーによる炎症が原因で発症する。
猫伝染性腹膜炎(FIP):黄疸、発熱、食欲不振、下痢や嘔吐を引き起こす感染症。
ヨーロピアンバーミーズの飼い方
ヨーロピアンバーミーズは、賢くて穏やかな性格をしているので、しつけでは困ることは少ないでしょう。甘えん坊なのでたくさん一緒に遊んであげましょう。
一緒に遊ぶ時間を作る
ヨーロピアンバーミーズは、飼い主さんと遊ぶことが大好きで、甘えん坊な猫です。
飼い主さんにかまってもらうことが好きなので、一緒に遊んだりコミュニケーションを取る時間を作ってあげましょう。
ほかの猫とも仲良くできるので、2匹以上猫を飼いたいと考えている方にもおすすめです。
2匹以上を飼育している場合でも、寂しいとストレスになることがありますので、1匹ずつたっぷりと愛情をかけてあげてください。
キャットタワーを設置する
細くすらりとしているヨーロピアンバーミーズですが、筋肉質で運動量は多い猫種です。
運動ができないと太ってしまったり、ストレスが発散できなくなります。肥満は、関節に負担がかかるだけではなく、生活習慣病を発症する原因になるので注意しましょう。
キャットタワーを設置しておくと、1匹でもよじ登って楽しく遊んでくれるので、キャットタワーを置けるスペースを作ってあげてください。
お手入れをしっかり行う
ヨーロピアンバーミーズは、短毛なのでブラッシングなどの手入れは比較的楽に行えます。
皮膚の健康の維持のためにも、ブラッシングは適度に行っていきましょう。
また、涙焼けをしやすい猫種であるため、濡れたコットンなどを使って、目の周りを優しく拭いてあげてください。涙焼けがひどく、目の下の汚れが気になるときには、放っておくと菌が繁殖してしまうので、動物病院を受診してください。
涙焼けは目薬などを処方してもらえることもあるので、悪化する前に獣医さんにケアの仕方も含めてぜひ相談してみてください。
ヨーロピアンバーミーズの歴史
ヨーロピアンバーミーズは、アメリカンバーミーズと同様に、ミャンマーが原産の猫種です。
アメリカンバーミーズはアメリカで、ヨーロピアンバーミーズはイギリスで繁殖が行われました。両者は異なる猫種として、別々に認定されています。
アメリカの精神科医トンプソン博士が、1930年にミャンマーからブラウンのメス猫を連れ帰り「ウォンマウ」と名付け交配を行いました。人々がバーミーズの美しい被毛に魅了され、アメリカではアメリカンバーミーズが一躍人気の猫種になりました。
アメリカでアメリカンバーミーズが人気になると、イギリスでも繁殖を行うために、1940年代に海を渡ってイギリスに輸入されました。
イギリスで生まれたヨーロピアンバーミーズは、アメリカンバーミーズよりもスッとした顔をしていて、シャムに近い印象を受けます。
ヨーロピアンバーミーズは、レッドの遺伝子を持っているため、アメリカンバーミーズよりも毛色のバリエーションが多いことが特徴です。イギリスでは1955年にブルーのバーミーズが誕生して、この毛色を認定するべきなのか論争が起きました。
当時は、濃い茶色の被毛を持つ猫の繁殖を目指していたため、ブルーやシャンパンの子猫が生まれたことで、毛糸についての議論が活発に行われたようです。
ブルーの遺伝子を持つ猫は、アメリカンバーミーズでも遺伝的に確認できると判明し、今では多様な毛色が認められています。
ヨーロピアンバーミーズの値段価格
ヨーロピアンバーミーズは、日本ではブリーダーの数がとても少ないため、ペットショップやブリーダーからも入手が非常に困難です。
ブリーダーを調べてみても、ヨーロピアンバーミーズをブリーディングしている方はとても少なく、インターネットでもほとんど該当しません。
ヨーロピアンバーミーズは、ペットショップでも見かけることがほとんどないので、飼いたいと思われた場合は、ブリーダーを探すことをおすすめします。
アメリカンバーミーズと同じく、ヨーロピアンバーミーズは日本では希少な種類なので、ブリーダーでは20〜30万円ほどが相場のようです。
ヨーロピアンバーミーズを家族に迎えたいと考えている方は、海外から迎えることも視野に入れて、情報を収集してみてください。
ヨーロピアンバーミーズは、飼い主さんのことが大好きで、よいパートナーになってくれる素晴らしい猫です。ヨーロピアンバーミーズを飼いたいと思われた方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。