スコティッシュストレートの基礎情報
・日本語表記:スコティッシュストレート
・英語表記:Scottish straight
・原産地:イギリス
・発生:人為的発生
・毛種:短毛種・長毛種
・体格:セミコビー
・体重:オス3~6キログラム、メス2.5~5キログラム
・公認団体:TICA
スコティッシュストレートの性格・特徴
スコティッシュストレートは、小さな耳とクリっとした目が愛らしい、イギリス原産の猫です。
耳が垂れているスコティッシュフォールドとは、どこが違うのか気になる方が多いと思うので、両者の違いも紹介します。
スコティッシュフォールドとの違い
スコティッシュフォールドは、垂れ耳が特徴のかわいらしい猫で、スコティッシュストレートと名前がとてもよく似ています。
スコティッシュストレートと、スコティッシュフォールドは、性格や歴史はほとんど同じと言ってよさそうです。
スコティッシュフォールドとの一番の違いは、耳が垂れていないことです。
スコティッシュストレートは、ほかの猫よりも耳が小さいですが、スコティッシュフォールドのように、耳が垂れているわけではありません。
スコティッシュストレートの性格
スコティッシュストレートは、性格がスコティッシュフォールドと大きな違いはありません。
温厚で大人しく、甘えん坊で人懐っこいため、飼い主さんによく懐きます。
甘えん坊で寂しがり屋な性格をしているので、長時間の留守番などは、できるだけさせないようにしましょう。
好奇心旺盛で遊ぶことが好きなので、小さなお子さんがいると、子どもの相手をして一緒に遊んでくれることもあります。
順応性が高いので、ほかのペットとも仲良くできます。飼い主さんの傍にいることが好きで、なでられるとゴロゴロと喉を鳴らして喜んでくれます。
スコティッシュストレートの特徴
容姿の特徴もスコティッシュフォールドとよく似ていて、顔は丸く、目もまん丸でパッチリとしていてとてもかわいらしい顔です。
丸みがあってふっくらしているように見える中型のボディですが、筋肉質でがっちりしています。
スコティッシュフォールドが垂れ耳になる確率は、約30%なので、残りの約70%は耳が立っています。
折れ耳の猫同士での交配は、健康上のトラブルが起こる可能性があるため、立ち耳の猫との交配が行われます。
その結果、50%以上の確率で立ち耳の猫が生まれます。耳が立っている子は、スコティッシュストレートという名前になります。
スコティッシュストレートの毛色・目の色
スコティッシュストレートは、ブリティッシュショートヘア、アメリカンショートヘアとの交配で誕生した猫種なので、毛色や模様も豊富です。
毛色や目の色も、スコティッシュフォールドと大きな違いはありません。
スコティッシュストレートを公認している団体はTICAのみで、毛色や目の色もほぼすべてのカラーがあります。
スコティッシュストレートの毛色は、ブラック、ホワイト、レッド、ブルー、クリームなどです。
パターン(柄)もバリエーションが豊富で、ソリッド、タビー、シルバー&シェーデッド、パーティカラー、キャリコ&バイカラー、タビー&ホワイトなどがあります。
目のカラーも豊富で、サファイアブルー、ブルー、アクア、グリーン、ヘーゼル、イエロー、ゴールド、オレンジ、カッパー、オッドアイなどがあります。
1色の毛色とパターン、1色の目の色しかない猫種もいますので、スコティッシュの被毛や目の色のバリエーションはとても豊富です。
異種交配が行われて誕生したスコティッシュは、外見の特徴も受け継いでいるため、魅力的で個性的な容姿を手に入れることができました。
スコティッシュストレートの鳴き声
スコティッシュストレートは、鳴き声が小さい猫であると言われています。
しかし、甘えん坊な性格をしているので、飼い主さんにかまってほしくてよく鳴きます。
猫の声質は個体によって異なるので、男の子でも子猫のような鳴き声で鳴いたり、女の子がインパクトのある大きな声で鳴くこともあります。
鳴き声が小さい猫種でも、発情期には大きな声で鳴くことがありますので、猫と飼い主さんのストレスを軽減するためにも、避妊・去勢手術を検討してみてください。
また、高齢になると認知症が原因で、昼夜かまわず大きな声で鳴くことがあります。
あまりにもよく鳴く場合は、病気が原因であることもありますので、気になる症状があるときは、動物病院を受診してください。
スコティッシュストレートの寿命・病気
スコティッシュストレートの寿命は、10〜13歳とされています。猫の平均が15歳であるため、平均よりも短いです。
スコティッシュフォールドが発症しやすい疾患になる確率が高いので、遺伝疾患になるリスクもゼロではありません。
また、アメリカンショートヘアの遺伝子を受け継いでいるので、アメリカンショートヘアが好発する疾患にも注意が必要です。
骨軟骨異形成症:軟骨に骨瘤というコブができる遺伝性の疾患で、痛みや歩行困難などの症状が起こります。関節が腫れる、しっぽが変形するなどの外見の変化も見られるため、飼い主さんがおかしいと感じるような異常がある場合は、速やかに獣医さんに診てもらいましょう。
垂れ耳の猫同士を交配させることによって、関節疾患になる確率が高まるため、垂れ耳と立ち耳の猫での交配が行われます。
肥大型心筋症:心臓の筋肉が厚くなることで、心臓の働きが悪くなり、不整脈などを起こす疾患。
多発性嚢胞腎:腎臓に水が溜まった袋(嚢胞)がたくさんできることで、腎臓の機能が徐々に低下していく遺伝性の疾患。
スコティッシュストレートの飼い方
スコティッシュストレートの飼育のポイントは、スコティッシュフォールドと大きく変わりません。長毛であれば抜け毛も多いので、ブラッシングはしっかり行いましょう。
ブラッシングは適度に行う
スコティッシュストレートは、抜け毛が多いです。
週に2〜3回はブラッシングを行って、美しい被毛をキープしていきましょう。
ブラッシングが不足してしまうと、毛づくろいをして飲み込んだ毛が、消化器官に溜まって、排泄できない毛球症という病気の原因になります。
毛球症になると、通常なら吐き出せる毛玉が吐けないので、食欲不振、嘔吐、下痢、便秘などを起こします。
ブラッシングは毛玉の除去、皮膚の異常に気が付くきっかけになりますので、まめに行っていきましょう。
コミュニケーションをしっかり取る
スコティッシュストレートは、飼い主さんに思いっきり依存するタイプではありませんが、甘えん坊で寂しがり屋です。
飼い主さんの傍にいることが大好きな猫なので、膝に乗って甘えることもあります。
一人ぼっちでの留守番などは苦手なので、家を留守にする時間はできるだけ短くしてあげてください。
寂しくてストレスが溜まると、大きな声で鳴いたり、飼い主さんの後を追いかけまわすなどの行動を起こすことがありますので、コミュニケーションはしっかり取るようにしましょう。
肥満にならないように注意する
スコティッシュストレートは、ほかの猫のように走ったり、高いところに登ることが少ない猫です。
運動量が少ない猫種なので、食べてゴロゴロと寝ていると太ってしまいます。
子猫の頃は元気に遊んだり走ったりしていますが、成長するにつれて運動をする量が減少します。
飼い主さんから遊びに誘うなどして、できるだけ動いてもらい肥満を予防しましょう。
もちろん、エサやおやつの与えすぎは肥満や生活習慣病の原因になるので、猫の体重に合った適量を与えるようにしてください。
スコティッシュストレートの歴史
スコティッシュストレートの誕生の経緯は、スコティッシュフォールドの歴史と同じです。
1961年にイギリスで飼われていたスージーという猫は、折れ曲がった耳があり、生まれた子猫も耳が折れていました。
スージーの隣の家に住んでいるロス夫妻は、子猫を引き取ってブリティッシュショートヘアと交配させました。すると、また耳が折れた猫が生まれました。
ロス夫妻は、この耳折れ猫が新種であると考えて、計画的な繁殖を行いました。
しかし、スコティッシュフォールドの折れ耳同士を交配させると、奇形や骨格に障害が出ることが判明しました。その結果、イギリスでは新種として公認されませんでした。
折れ耳同士の交配が危険であると明らかになってから、折れ耳と立ち耳の猫が交配されるようになりました。その結果、耳が折れていない子猫もたくさん生まれました。
この立ち耳の猫がスコティッシュストレートです。
スコティッシュフォールドのフォールドは、折れたという意味があり、スコティッシュストレートのストレートは、直立したという意味があります。
両者ともにスコットランド(イギリス)が原産で、耳の特徴から名前が付けられました。
猫の血統の登録を行っているTICAは、スコティッシュストレートを、スコティッシュフォールドとは異なる猫種として認定しています。
しかし、多くの団体ではスコティッシュストレートと、スコティッシュフォールドは、同じ種類の猫であるとして、別々に認定していません。
スコティッシュストレートの値段価格
スコティッシュストレートは、ペットショップやブリーダーから入手することができます。
スコティッシュストレートの価格は、ペットショップでは15〜40万円ほどが相場です。ブリーダーから迎える場合は、18〜26万円ほどが相場となっています。
子猫の価格は、性別や毛色、月齢などによって異なりますので、お店に足を運んで猫の様子を見てみましょう。
ペットショップでは、耳が立っているスコティッシュストレートも、スコティッシュフォールドとして販売されていることが多いです。
一方、ブリーダーでは耳が立っている子は、スコティッシュストレートとして販売されています。
ブリーダーさんのサイトでは、父猫・母猫が写真付きで載っていることもありますので、気になる方は親猫の情報を確認してみてください。
スコティッシュストレートは、とても温厚で優しい性格の猫で、お子さんがいる家庭でも飼いやすい猫です。丸い顔とクリっとした目がとても愛らしく、人懐っこく甘えてくる姿はとてもかわいらしいです。
スコティッシュストレートを飼いたいと思われた方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。