バセンジーの基礎情報
・日本語表記:バセンジー
・英語表記:Basenji
・原産地:コンゴ
・発生:自然発生
・種類:原始的な犬/スピッツ
・サイズ:中型犬(40〜45cm)
・体重:オス10kg~12kg、メス9kg~11kg
バセンジーの性格・特徴
バセンジーは、紀元前から存在している古代犬種で、コンゴのピグミー族が狩猟に使用していた犬種です。
バセンジーの性格
バセンジーは、好奇心旺盛で活気のある犬種です。
非常に利口ですが賢さゆえに悪知恵が働き、イタズラをすることが度々あります。独立心が旺盛で、マイペースなところがあり、しつけや訓練は難しく根気が必要です。
本犬種の飼育には、バセンジーの飼育経験者もしくは犬の飼育上級者が飼い主に向いています。ベタベタと構われることを嫌う反面、気が向いた時には甘えてくるネコのような性格です。
バセンジーの特徴
バセンジーは、無駄のないスリムで引き締まった体をしており、優雅で高貴な印象を与えます。
「額のシワ」「大きめの直立耳」「飾り毛のない巻き尾」が、特徴的です。額のシワは普段からありますが、困った時や警戒心を抱いた時は、より深いシワになります。
体は柔軟で、高い身体能力と跳躍力の持ち主です。低い柵は軽々飛び越えてしまうため脱走に注意してください。
飼育の難易度が高い自由気ままな犬種
バセンジーは飼育が難しい犬種です。
自由気ままな性格で、飼い主のいうことを素直に聞いてくれることはなく、服従訓練やしつけが難しいといわれています。
噛み癖があり、ケージや家具を噛んで破壊することが度々あり、十分な運動をすることで、こうした問題行動は軽減されます。
破壊行為などイタズラをしたり、なかなかいうことを聞かないと思えば、甘えてきたりと甘え上手なところがあり、愛好家の心を掴んでいます。
このバセンジーの自由気ままな性格の理由は、バセンジーの歴史にあります。
バセンジーは、アフリカの定住しない民族の周りで生活をしていましたが、決して飼育されていたのではなく、狩りを手伝っていただけでした。
人間に飼育されることなく自立して生活していたため、知性が高いうえ独立心も強く、服従訓練が入りにくいといわれています。
バセンジーの毛色・目の色
ジャパンケネルクラブによると、バセンジーの毛色は、ピュア・ブラック&ホワイト、レッド&ホワイト、ブラック&タン&ホワイトにメロン・ヒップとタンのマーキングがマズルや頬にあるもの、ブラック、タン&ホワイト、ブリンドルがあります。
ブリンドルは、レッドの地色にブラックの縞が入っており、縞は明確なほどよいとされています。さらに、足、胸、尾の先端にホワイトが入っています。
短く、なめらかな被毛は非常に美しく、ボディに密着して生えています。毛質は、やわらかく絹糸状です。
バセンジーは、自分の体を毛繕いする習性があり、きれい好きでニオイもほとんどありません。
アフリカ出身のバセンジーは、暑さに耐えられるように、シングルコートの被毛です。普段は抜け毛が目立ちませんが、定期的に毛が生え変わるため、ブラッシングが必要です。
お散歩の後に家に入る前にブラッシングすると、散歩中についた汚れも落せるためおすすめです。
バセンジーの目の色はダークで、アーモンド形をしています。視力がよく、たいへん遠くまで見えるといわれる犬種で、家の中から窓の外を眺めることを好みます。
バセンジーの鳴き声
バセンジーの最大の特徴は、吠えないことです。
嬉しい時にはヨーデルのような独特な声を出し、ワンワンという鳴き方をすることはありません。クゥーンといった鳴き方をすることもあります。
これは、バセンジーの飼育が難しいにもかかわらず、世界的に人気を得ている理由の一つです。静かに飼育できるため、日本の住宅地でも飼育が可能です。
バセンジーの寿命・病気
バセンジーの平均寿命は、12歳前後です。
溶血性貧血:血液中の赤血球が破壊され貧血になる疾患。症状には「元気がなくなる」「食欲不振」「酸素不足」「呼吸困難」などがあり、急性症状の場合には命にも関わる危険な病気です。
溶血性貧血は自己免疫介在性溶血性貧血がほとんどで、具体的な予防法はありません。
気になる症状があれば、早めに動物病院を受診し、検査を受けるようにしましょう。
ファンコニー症:近位尿細管が機能不全になることで発症する腎不全の一種。近位尿細管が正常に働かなくなることで、体にとって必要な成分が尿と一緒に体外に排出されてしまいさまざまな症状を引き起こします。
初期症状には「多飲多尿」がありますが、そのほかに目立った症状はないことがほとんどです。
しかし数年を経て症状が進行した場合、犬の体重減少や栄養不良などによる毛ヅヤ、皮膚コンディションの悪化などが次第にみられ、最悪の場合死に至ることもあります。
「多飲多尿」はさまざまな疾患の初期症状にみられます。日頃から、飲水量を把握しておくと、異変に気がつきやすくなります。
バセンジーのしつけ・飼い方
バセンジーは、古代犬種であることを理解して飼育することが大切です。
狩猟本能を強く残した犬種
バセンジーは、狩猟犬としての本能が今でも強く残っている犬種です。小動物全般に反応しますが、とくにネコ、チワワなどの小型犬には注意が必要です。
散歩中に野良ネコに反応して追いかけたり、ドッグランで小型犬を執拗に追いかけることがありますので、リードは外さないようにしっかりと握っておきましょう。
多頭飼いも向いていない犬種です。
子犬の時からしつけ教室などで多くの他の犬と触れ合い、社会性を身につけるといいでしょう。カーミングシグナルなどを学ぶことで、他の犬ともうまくコミュニケーションがとれるようになります。
運動が不足すると破壊行為にはしる
バセンジーは、活動的でエネルギッシュな犬種です。
1日1時間以上の散歩が必要で、早足や自転車で並走するなど、運動の負荷をあげるといいでしょう。
バセンジーは、噛み癖があり、ものを間で破壊したり、感情表現の際に飼い主の手を間でしまうこともあります。
こうした問題行動は、運動を十分に行うことで改善されることがありますので、室内での問題行動に悩まされているときは、毎日の運動量を増やしてみましょう。
散歩以外にも、狩猟本能を満たしてあげることも大切です。小さなものを追いかけることを好むため、ボール遊びなども取り入れてみてください。
冬の寒さが苦手
バセンジーは、中央アフリカ・コンゴの暖かい地域で生まれた犬種のため、寒さが苦手な犬種です。
冬場は、暖房であたためてあげることはもちろん、洋服を着せたり、ベッドに毛布を敷くなど暖かく過ごせる環境を整えてあげましょう。
冬場の散歩はなるべく暖かい時間帯に行う必要があります。とくに耳が寒さに弱く、しもやけになることがあるため、耳をマッサージするなどして予防してください。
バセンジーの歴史
バセンジーの起源は、はっきりとはわかっていませんが紀元前以前から存在している古代犬種であると考えられています。
古代エジプトに存在していましたが、王朝の滅亡後、バセンジーは四方に散らばっていきました。
1868年、中央アフリカを探検していたイギリスの博士が、バセンジーと思われる犬を発見し記録に残しています。
バセンジーは当時、コンゴのピグミー族と狩猟を行っていました。しかし、ピグミー族に飼育されていたわけではなく、狩猟の手伝いをしながら自立していたといわれています。
知性が高く、独立心も強いのは、このことが理由であると考えられています。
犬は、人間と暮らすことで吠えてコミュニケーションを取りますが、バセンジーは人間に飼育されていなかったため、吠えることがないともいわれています。
優れた容姿と身体能力が注目を浴び、イギリスに数頭輸出されました。
しかし、1回目の輸出は犬ジステンバーに感染し全滅してしまい、2回目の輸出は繁殖に成功したものの、やはり犬ジステンバーに感染しオス1頭を残して死んでしまいました。
3回目の輸出でようやく、ブリーディングが行えるようになります。
バセンジーはドッグショーに出場すると、優雅で気品のある姿から人気を博し、コンゴとイギリス以外の国々にも知られるようになりました。
バセンジーの値段価格
バセンジーは、美しい容姿と吠えないことから、世界でも安定した人気を保っています。日本においても、毎年犬籍登録が行われており、ブリーディングが行われています。
バセンジーは、飼育が難しい犬ではありませんが、一方で気ままな性格と甘え上手な性格に魅了され愛好家も多い犬種です。
国内にブリーダーも多くいますので、この犬種を迎え入れたい場合には、ブリーダーや里親から迎え入れるという方法があります。
子犬の価格は20万円前後です。
古代犬種の気質や習性を残していることを、十分に理解して飼育しなければ手に負えない犬種になってしまいます。
そのため、飼いきれなくなったバセンジーが保護されている例も少なくはありません。
バセンジーは他の犬にはない魅力をもった犬種ですが、ぜひ本記事を参考にバセンジーについて知っていただき、バセンジーとの生活にお役立ていただければと思います。