キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの基礎情報
・日本語表記:キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
・英語表記:Cavalier King Charles Spaniel
・原産地:イギリス
・発生:人為的発生
・種類:愛玩犬
・サイズ:小型犬(30cm~33cm)
・体重:オス 5.9kg~8.2kg、メス 5.9kg〜8.2kg
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの性格・特徴
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、長らくイギリス王室の愛玩犬として愛されてきた犬種として有名です。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの性格
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、明るく陽気で社交的な性格です。
飼い主に対しては愛情深く、具合が悪い時にはそばで大人しく寄り添ってくれるような、優しいところがあります。
普段はおおらかで落ち着いており、寂しがりやで甘えん坊ですが、飼育しやすい気質をしています。
家族以外の人にも、フレンドリーで懐きやすいため、番犬としては不向きですが、マンションなどの集合住宅でも飼育が可能です。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの特徴
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、大きな垂れ耳と、つぶらな大きな瞳、ツヤのある美しい被毛が特徴的な犬種です。
体高よりも体長がやや長めで、がっしりとした骨格を持っています。活動的でありながら、優雅な雰囲気もまとっており、バランスが取れた体つきです。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの頭部は、両耳間はほぼ平らで、ストップは浅く、マズルは鼻先に向かって、徐々に先細っていきます。
キング・チャールズ・スパニエルとの違い
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、キング・チャールズ・スパニエルの変種で、どちらも15〜16世紀に登場したトイ・スパニエルから発展しています。
違いは、大きさ、鼻、性格にみられます。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの方が、体が少し大きく、鼻は潰れておらず、ストップから鼻先までの長さは平均で3〜4cm程度あります。
また、性格は、どちらも飼い主に対して愛情深いですが、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの方が陽気でフレンドリーな性格で活発です。
対して、キング・チャールズ・スパニエルは、控えめで穏やかなため、より家庭犬向きです。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの毛色・目の色
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、長くシルキー(絹糸状)なツヤのある被毛が特徴的です。
カールはせず、わずかにウェーブをしている個体もいます。脚、胸、尻尾に羽毛のような飾り毛があり、優雅な雰囲気を作り出しています。
抜け毛は多く、毎日のブラッシングは欠かせませんが、トリミングは必要ありません。
しかし、美しい被毛を維持するために、トリミングサロンで月1回ほどシャンプーし、美しいスタイルを維持してあげましょう。
また、長い垂れ耳は、耳の中が蒸れやすく汚れが溜まり、外耳炎の発症リスクが高いため、耳のケアのためにも、トリミングサロンがおすすめです。
毛色は、4種類あり、ブラック&タン(ブラックが多め)、ルビー(赤茶の単色)、ブレンハイム(ホワイト&ブラウン)、トライカラー(ブラック&ブラウン&ホワイト)があります。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの目は、大きく、丸いですが、突出することはありません。両目の間は広く離れています。色は、ダークカラーです。
大きな目は、ホコリなどが入りやすく、涙目になり涙やけを起こしやすい犬種です。目の周りをこまめに拭き取ってあげましょう。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの鳴き声
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの鳴き声は、見た目に反して大きく太いですが、ほとんど吠えないといわれている犬種です。
初めて会う人に対しても社交的に振る舞うため、番犬としては不向きですが、都市部の集合住宅地でも安心して飼育できます。
ただし、子犬のうちに甘やかしすぎたり、運動不足や長時間の留守番などでストレスが溜まると、吠えるようになります。
また、飼い主や家族以外との触れ合いが少ないと、怖がりな性格になってしまうため、散歩の時やドッグランなどで、初めて会う人にも可愛がってもらうなど、社交的な性格を引き出してあげましょう。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの寿命・病気
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの寿命は9歳〜14歳とかなり幅があります。
本犬種は、心臓に病気を抱えることが多いため、寿命にばらつきがあり、定期的な検診が重要な犬種です。
僧帽弁閉鎖不全:心臓の働きに異常がみられる疾患。本犬種は、遺伝的要因から、僧帽弁閉鎖不全症を発症することが多いといわれています。
他犬種と比較して、発症年齢が若く、一般的にはシニア期以降に発症しますが、4〜5歳頃に発症することも珍しくありません。
初期には心雑音が確認されますので、気になる症状がなくても定期的な受診により、聴診を受けることが重要です。レントゲンや超音波検査によって確定診断が下され、その後は内服などの内科的治療が始まります。
長期間内科的治療で病状のコントロールが可能な進行が遅いケースと、急速に悪化するケースがありますので、治療が開始された後も、経過観察が大切です。
現在では、循環器専門病院も増え、僧帽弁修復術といった外科手術を受けることもできるようになりました。
結膜炎:結膜が傷ついて炎症を起こす疾患。キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、他の犬種と比較しても目が大きく少し前に出ているため、目に埃やゴミが入りやすい犬種です。
違和感から自分で目を擦り、さらに傷がつくことで、結膜炎を発症することが多いようです。
散歩から帰ってきたあとは、点眼などで目の汚れを流してあげると、結膜炎の予防になります。
目を掻いたり擦っていないか、涙目になっていないか、注意して観察してあげましょう。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルのしつけ・飼い方
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、非常に可愛らしい容姿と、飼い主に寄り添う優しさと穏やかさをもつ素晴らしい家庭犬です。
少しでも長く元気に一緒に過ごせるように大切に飼育してあげましょう。
定期的な健康診断は欠かさない
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、遺伝的に心疾患を発症しやすい犬種です。
心疾患は、初期症状は聴診で気がつくことが多く、詳しい検査もレントゲンや超音波検査で行われます。
一般的な健康診断は、血液検査のみであることが多いですが、心臓の超音波検査を追加してもらうようにしてください。
早期に発見することで、内科的治療で経過観察できることもあります。
穏やかに過ごしていても散歩は欠かさない
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、室内では穏やかに過ごし、おっとりしているため、散歩が必要ないように感じられるかもしれません。
しかし、健康管理のためにも運動は欠かせないため、毎日2回20分ずつでも散歩に連れていきましょう。
外交的な性格を引き出すためにも、飼い主や家族以外の人に可愛がってもらうことが大切です。また、リードを持って一緒に歩くという行為で、飼い主との信頼関係も築けるため、散歩は大切です。
抜け毛が多くブラッシングはこまめに
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは非常に魅力的な犬種ですが、唯一ともいえる欠点が抜け毛の多さです。
また、長くシルキーな被毛は毛玉になりやすく、とくに耳の裏、脇の下、内股に、毛玉ができやすいです。
本犬種の美しい被毛は、生後2年ほどかけて生え揃います。
その後、基本的にトリミングは必要ありませんが、耳掃除や涙やけ予防、シャンプーなどをトリミングサロンで行うといいでしょう。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの歴史
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、イギリス王室で古くから愛されてきた犬種です。
犬種の名前の通り、チャールズ1世・2世に大変愛され、昔の絵画に残されたスパニエルを復元しようと、賞金をかけて追い求めるほどでした。
「スパニエル」は猟犬を意味し、キャバリアの祖先犬も、16世紀頃には、鳥猟犬として活躍していました。
当初は、コッカー・スパニエルに似た見た目でしたが、1920年に小型のスパニエルと鼻の低い愛玩犬を交配し「キング・チャールズ・スパニエル」が作り出されました。
見た目も可愛らしく、鼻の低い犬は、イギリスのみならずヨーロッパの王室や貴族たちに愛されていました。
短頭種特有のいびきがうるさく、呼吸器疾患などにもかかりやすいことが欠点とみなされていました。
その欠点を改善するため、立ち上がった愛好家たちが鼻の長いタイプのスパニエルを残そうと尽力し、鼻の長い本犬種が生まれました。
1945年にイギリスで犬種として登録され、現在の世界的な人気を誇る犬種になりました。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの値段価格
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、大人しく無駄吠えも少ないことから、都市部の集合住宅地でも飼育ができるため、日本においても人気の犬種です。
ブリーディングは多く行われており、価格は20万円〜40万円ほどで購入できます。
ドッグショーでも活躍する犬種のため、チャンピオンの血統をもつ子犬も多く45万円を超えることも珍しくありません。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、初心者でも飼育しやすい犬種です。
しかし、定期的な健康診断や、運動を欠かさないことなど、いくつかの点に注意して飼育する必要がありますので、本記事を参考にしていただければと思います。