
シベリアン・ハスキーの基礎情報
・日本語表記:シベリアン・ハスキー
・英語表記:Siberian Husky
・原産地:アメリカ合衆国
・発生:自然発生
・種類:原始的な犬/スピッツ
・サイズ:大型犬(51〜60cm)
・体重:オス20kg~27kg、メス16kg~23kg
シベリアン・ハスキーの性格・特徴
シベリアン・ハスキーは、社会性のある性格が特徴で、そり犬や、夏場はボートや荷物の運搬に使用されていました。
シベリアン・ハスキーの性格
シベリアン・ハスキーは、「陽気」「おおらか」「フレンドリー」な性格をしています。
用心深さはありますが、見知らぬ人や動物に対して攻撃的な態度をとることはなく、控えめで穏やかです。
子犬の頃はやんちゃな性格ですが、成犬になるにつれて落ち着き、物静かになります。
仕事に対して熱心に取り組むため、作業犬としても非常に優秀な犬種です。強面な見た目とは逆に、人懐っこく、優しい気質がシベリアン・ハスキーの最大の魅力です。
シベリアン・ハスキーの特徴
シベリアン・ハスキーは、独特な顔の模様とワイルドな容姿が印象的な犬種です。
ほどよく引き締まり、均整のとれた体をしています。オスとメスでは体の大きさ、体つきが異なっています。
オスは力強いですが粗野な雰囲気はなく、メスはオスと比べひとまわり小さくありますが、弱々しさはありません。
重い荷物を引く能力に長けた脚をしており、筋肉が十分に発達し力強く、骨量も十分です。
また、前後の肢の指やパッドの間も十分な毛でおおわれ、雪道でも駆け回ることができます。肉球はクッション性に優れ長距離を走ることに適しています。
心身ともに優秀なそり犬
シベリアン・ハスキーは、アラスカン・マラミュートやサモエドたちと極寒の地で、そりを牽引する仕事をしていました。
仲間の犬たちだけではなく、人間とも一緒に生活し過酷な環境を生き抜いてきました。そのため、群れを大切にする協調性に優れた性格になりました。
群れのために熱心に仕事に取り組む反面、褒めてもらいたいという気持ちも強いため、しつけや訓練はたくさん褒めながら行うといいでしょう。

シベリアン・ハスキーの毛色・目の色
シベリアン・ハスキーの被毛は綿毛のようにやわらかな下毛と、直毛でしっかりとした手触りの上毛をもったダブルコートです。
密に生えた下毛により体温を保持し、極寒の地の寒さに耐えることができます。
ジャパンケネルクラブによると、シベリアン・ハスキーの毛色は、ブラックから純白までのすべての色です。
非常にバリエーションが豊富で、ブラック・ブラウン・グレー・レッドなどの単色に加え、ブラック&ホワイト、グレー&ホワイト、セーブル&ホワイトなどの毛色もあります。
シベリアンハスキーの抜け毛は、非常に多いことで知られています。
そもそも寒さに耐えられるように毛量が多く、換毛期になると豊富な毛量が生え変わるため抜け毛が多くなります。
被毛ケアは、普段は週に2〜3回、換毛期には毎日ブラッシングしてあげるといいでしょう。
被毛が厚いため、根元まで届くスリッカーブラシがおすすめです。力を入れすぎると、皮膚を痛めますので、様子をみながら、優しく行ってください。
シベリアン・ハスキーの目の色は特徴的で、ブラウンかブルー、両目で色が異なる「オッドアイ」や、パーティーカラーもあります。
アーモンド形で表情は鋭いですが、友好的で好奇心が旺盛な目をしています。
シベリアン・ハスキーの鳴き声
シベリアン・ハスキーは、無駄吠えしにくい犬種です。
見知らぬ人や動物に対しても、愛嬌を振りまくほどフレンドリーな性格なので、番犬には向いていませんが、家庭犬としては非常に魅力があります。
しつけや訓練が不十分であったり、運動不足や寂しさが強いと、ストレスから吠えやすくなってしまいます。
群れで生活することに慣れているため、留守がちな家庭より、常に家族の誰かが在宅している家庭の方が飼育が向いています。長時間の留守番もストレスになり、無駄吠えなどの問題行動を起こす可能性があります。
時々遠吠えをすることがありますが、うるさいと感じるような鳴き方ではありません。
シベリアン・ハスキーの寿命・病気
シベリアン・ハスキーの寿命は、12歳前後で、他の犬と比較して平均的な寿命ですが、飼育環境や健康管理によって違いがあり、15歳まで生きるシベリアン・ハスキーも珍しくありません。
亜鉛欠乏症:体内の亜鉛が欠乏することで、体にさまざまな症状が現れる疾患。シベリアン・ハスキーは、亜鉛の吸収がうまくできない個体が一定数存在しています。
遺伝的なもののため、予防することは難しいです。亜鉛は皮膚や被毛、骨の形成などに関係し、亜鉛が欠乏することによって、皮膚炎や発育不良、免疫力の低下などが起こります。
目や口の周り、耳、肉球が赤くなりかさぶたができる、脱毛する、被毛の光沢がなくなる、などの症状があれば、動物病院を受診してください。
白内障:水晶体の一部もしくは全体が白く濁る疾患。白内障は、初期の段階では気がつきにくい疾患です。徐々に進行していくと、目が白っぽくなったり、視力の低下に伴い、柱や壁によくぶつかるようになります。
治療には、目薬や内服薬などで症状を遅らせる方法があります。完治するためには、手術によって白く濁った水晶体を取り除き、人工レンズを装着させます。
手術は、体への負担が大きいため、高齢や状態が悪い場合には行えない可能性があります。早期発見早期治療が、大切です。
緑内障:眼圧が上がることで目の痛みや視力に影響を与える疾患。緑内障になると、目に痛みが生じるため、顔の周りを触られることを嫌がったり、涙が増える、白目の部分に血管が浮き出たように充血するなどの症状がみられます。
目を気にする様子があれば、すぐに動物病院を受診するようにしましょう。
シベリアン・ハスキーは、痛みや体の不調を隠そうとするため、小さな変化も見逃さないようにしましょう。

シベリアン・ハスキーのしつけ・飼い方
シベリアン・ハスキーは寒い地域で生まれたパワフルな犬種です。日本の気候や住環境によってストレスをためたり、体調を崩すことがないように気をつけてあげましょう。
十分に運動をさせてストレスをためない
元そり犬のシベリアン・ハスキーは、運動量が多く、散歩は涼しい時間帯に、1日2回1時間ずつ行いましょう。
引っ張る力が強いため、散歩中に引っ張られると非常に危険です。子犬のうちにリードトレーニングをマスターしておきます。
冬場は、満足するまで長めに行い、夏場は、体調や様子を見ながら時間を調整してあげます。
また、走ることが好きなため、ランニングや、ドッグランで自由に走り回ることも必要です。郊外などで自然に触れながら散歩しても喜ぶでしょう・
外で体を動かしたり、アクティブな人が飼い主に向いています
十分に外で体を動かすことで、室内では落ち着いて過ごしてくれます。しつけやすくなるため、第一に運動量の確保が大切な犬種です。
飼い主はしつけ方法を学んで行う
シベリアン・ハスキーは性格がよい犬種ですが、少し抜けているところがあったり、マイペースなため、しつけが難しいと思われています。
しかし、非常に賢く、人間との暮らしに慣れているため、飼い主が正しい方法でしつけや訓練を行うことで、多くを覚えてくれます。
まずは毎日十分に運動をさせて、ストレスをためないことが大切です。
一緒に過ごし、信頼関係を築いてください。指示を出すときのコマンドは統一し、わかりやすく的確に指示します。
コマンドは犬の興奮を抑える効果もあるため、犬の安全を守ることができます。家族で統一するといいでしょう。
子犬の時はやんちゃな性格のため、初心者にはしつけが難しいことがあります。しつけ教室などプロの訓練士に頼ることも検討してみてください。
夏場は熱中症と皮膚炎に注意
シベリアン・ハスキーは、寒さには非常に強いですが、その反面日本の高温多湿の夏には十分注意が必要です。
涼しい時間帯に散歩するだけではなく、室温と湿度を管理した室内で過ごさせるようにしてあげます。車の中に放置することは、非常に危険です。
毎日のブラッシングで抜け毛を取り除くと、皮膚の被毛の通気性が良くなり、皮膚が蒸れにくくなります。皮膚が蒸れた状態でいると、皮膚炎になりやすいので、ブラッシングを欠かさず行ってください。

シベリアン・ハスキーの歴史
シベリアン・ハスキーは、ロシア北東部にあるチュクチ半島に住むチュクチ族の人たちにより、代々飼い継がれてきた犬種です。
チュクチ族にとってのシベリアン・ハスキーは、そり犬であり猟犬であり、また財産でした。
極限状態の寒さの中、人間とともに生き抜いてきたシベリアン・ハスキーは、寒さに強く、人間との絆を育みながら進化してきました。
1900年代に入り、シベリアン・ハスキーの評判が広まると、アラスカへ輸入され、使役犬やレース犬として活躍します。
シベリアン・ハスキーは1909年に初めて犬ぞりレースに参加しますが翌年から長い間、多くの勝利をもたらしました。
1925年、アラスカでジフテリアが流行した際、シベリアン・ハスキーの犬ぞりチームがおよそ1,000kmを超える距離をリレーして繋ぎ、血清と薬を町に届け、多くの人の命を救いました。
このことがニュースになると、シベリアン・ハスキーは世界中に知れ渡り、高い知名度を得ました。
シベリアン・ハスキーはカナダやアメリカへ輸入されると、1930年にはアメリカンケネルクラブ、1939年にカナダのケネルクラブに犬種が公認されました。
ドッグショーにも出場するようになると、シベリアン・ハスキーの独特な神秘的な風貌に人気が集まりました。
その後も、北極・南極探検への同伴や、第二次世界大戦ではアメリカ軍に帯同し、救助犬としても用いられました。
シベリアン・ハスキーの値段価格
シベリアン・ハスキーは、日本においても知名度が高く、無駄吠えが少なく性格が良いため、ブリーディングが比較的多く行われています。
主に北海道に多く、関東や関西にもブリーダーがいます。
子犬の価格は30万円から40万円で、珍しい毛色や、両目の色が異なる個体は人気で、60万円を超えることもあります。
シベリアン・ハスキーは、飼育しやすい大型犬の一犬種ではありますが、もともとは寒い地域に適した犬であることを忘れずに、飼育環境を整えてから迎え入れるようにしてください。
シベリアン・ハスキーの飼育について検討されている方は、ぜひ本記事を参考にしていただければと思います。