サイベリアンの基礎情報
・日本語表記:サイベリアン
・英語表記:Siberian
・原産地:ロシア
・発生:自然発生
・毛種:長毛種
・体格:ロング&サブスタンシャル
・体重:オス4~8キログラム、メス4~6キログラム
・公認団体:CFA ・ TICA ・ FIFe ・ GCCF
サイベリアンの性格・特徴
サイベリアンは、ロシア出身の猫で、ふわふわの被毛が特徴です。サイベリアンの性格や特徴を紹介します。
サイベリアンの性格
サイベリアンは、おっとりとしていて従順、家族に対してはとても愛情深い猫です。
しかし、縄張り意識が強いため、知らない人やペットとは打ち解けるまでに時間がかかるかもしれません。
ネズミ狩りとして活躍していた猫なので、活発で好奇心旺盛、運動神経もよい猫です。とても賢い猫としても知られていて、人の言葉(単語)を理解することができるようです。そのため、しつけがとてもしやすいです。
サイベリアンの特徴
サイベリアンは、ロシアという寒い国が原産の猫なので、ふわふわとした長い被毛が特徴です。
また、猫の中でもかなりの大型で、オスは8キロ、メスでも大きいと6キロを超えることがあるビッグな猫です。
筋肉質なボディで、ずっしりとしています。頭は大きめで丸みがあるくさび型で、目は大きくて丸いですがややつりあがっています。
サイベリアンが日本で有名になった出来事
サイベリアンは、ロシアから輸出が滞る時期がありましたが、今では日本はもちろん、世界中の人に愛される猫種となっています。
日本では、秋田県知事がプーチン大統領に秋田犬(メスのゆめ)を贈り、そのお礼としてサイベリアン(オスのミール)が贈られてきたことで話題になりました。
このニュースを見て、サイベリアンという猫を知ったという方も多いのではないでしょうか。プーチン大統領は秋田犬に「ゆめ」と名付け、ロシア語で平和という意味がある「ミール」という名前は、知事が名付けたそうです。
サイベリアンの毛色・目の色
サイベリアンは、長い被毛と3重になっているトリプルコートが特徴ですが、毛色のバリエーションも多く、パターン(柄)もたくさんあります。
毛色の種類はとても多く、ブラック、ホワイト、チョコレート、シナモン、レッド、フォーン、シナモン、クリーム、ライラック、ブルーなどの毛色があります。
模様もたくさんの種類があり、ソリッド、タビー、シルバー&ゴールデン、スモーク&シェーデッド、パーティカラー、キャリコ&バイカラー、タビー&ホワイト、ポインテッド、ポインテッド&ホワイトなどがあります。
目の色は、ゴールド、グリーン、カッパーで、ブルーやオッドアイなどは見られません。
被毛はやわらかい子もいれば、硬い毛質の子もいるので、個体によって被毛の手触りは異なります。サイベリアンは、極寒のロシアを生き抜くために、立派な体格と長毛を手に入れました。
3重のトリプルコートは、あまり見かけることがないタイプなので、サイベリアンならではの特徴とも言えます。
被毛が長いため、抜け毛が目立つことがあるかもしれませんので、美しい被毛を保つためにもお手入れはしっかりと行っていきましょう。
サイベリアンの鳴き声
サイベリアンは、飼い主さんとのコミュニケーションを取ることが好きな猫で、美しい音楽を奏でるような声だと表現する人もいます。
高い声で鳴くこともありますが、低い声を出すこともあります。
大声で鳴き続けることは少ないので、集合住宅でも飼いやすい猫です。しかし、運動不足やコミュニケーションが不足すると、大きな声で鳴くことがありますので、ストレスをできるだけ与えないように注意しましょう。
猫が大きな声で鳴くときは、飼い主さんに何かを要求しているのかもしれません。ドアの前で鳴いているときは扉を開けてほしいとき、エサ皿の前で鳴いているときは、ごはんが欲しいときなどです。
猫が飼い主さんの方を見て鳴いているときは、どうして鳴いているのか、何を伝えようとしているのか考えてみてください。
サイベリアンの寿命・病気
サイベリアンの平均寿命は、10〜15歳と言われています。平均寿命に5歳の差がありますので、元気で長生きができるように、健康管理をしっかりと行っていきましょう。
サイベリアンが発症しやすい病気を紹介します。
悪性腫瘍(癌):皮膚などに腫瘍ができます。猫の皮膚の腫瘍は悪性の場合が多いので、体を触ったときにできものなどの皮膚の異常を発見したときは、動物病院を受診してください。
多発性嚢胞腎:腎臓に水が溜まった袋(嚢胞)がたくさんできて、腎臓の機能が徐々に低下していく遺伝性の疾患。
肥大型心筋症:心臓の筋肉が厚くなることで、心臓の働きが悪くなり、不整脈などを起こす疾患。
ピルビン酸キナーゼ欠損症:ピルビン酸キナーゼという酵素が不足することにより、赤血球が破壊されて慢性的な貧血を起こす疾患。
毛球症:猫が毛づくろいをして飲み込んだ毛が、消化器官に溜まってしまい、吐いたり排泄できない状態のことです。ブラッシングの不足が原因と考えられているので、お手入れはまめに行いましょう。
サイベリアンの飼い方
サイベリアンは、長い被毛が美しいですが、抜け毛も多いので、お手入れはこまめに行う必要があります。サイベリアンはとても活発なので、一緒に遊んだり運動できるスペースを作ってあげましょう。
被毛の手入れはしっかりと行う
サイベリアンは、ロシアの寒さを生き抜けるように、トリプルコートの長い被毛を持っていますが、そのため抜け毛も多く目立ちます。
美しい被毛を保つためにも、ブラッシングやシャンプーは定期的に行いましょう。
水を怖がることはあまりありませんが、小さいころから浅い桶などに入れて慣れさせてあげましょう。
毛球症は、ストレスやブラッシングの不足で起こると言われていますので、最低でも週に1〜2回はブラッシングをしてあげてください。
賢いのでいたずらに注意する
サイベリアンは、猫としては珍しく水を怖がりません。蛇口から落ちる水に興味をもつ子もいますし、水が入った器を落とすこともあります。
また、とても賢いので自分でドアを開けたり、隠してある食べ物を見つけて食べてしまうこともあります。
好奇心が旺盛なので、イタズラをしてしまうことがあるかもしれません。
壊れてしまうようなものは、猫の手が届かない場所にしまったり、食べてはいけないものは片づけておきましょう。
運動できる環境を整える
サイベリアンは、ネズミ狩りとして長く活躍してきたので、今でもハンターの血が騒ぐのか、とても活発です。
運動神経もよいので、運動できるスペースを確保して、時間を作って一緒に遊んであげましょう。
また、体も大きいので、ごはんもたくさん食べます。運動をたくさんしてもらえるように工夫して、エネルギーを消費できるようにしてあげてください。
サイベリアンの歴史
サイベリアンは、名前からも読み取れるように、極寒のロシア(シベリア)出身の猫です。
サイベリアンは、遥か昔からロシアに存在していたと考えられていますが、サイベリアンの起源や歴史については、残念ながら詳しくわかっていません。
ロシア帝国(1721〜1917年)の首都サンクトペテルブルクでは、たくさんの猫がいたといわれており、農園や修道院などでネズミ狩りをして大活躍していました。
ピョートル大帝の娘エリザベータも、宮殿のネズミを退治するために、1774年にネズミ狩りが得意な猫を取り寄せたそうです。このときの猫が、サイベリアンと何か関係があるのではないかと考えられています。
サイベリアンが公式にデビューしたのは、1871年にイギリスで行われたキャットショーでした。当時のロシアでは、猫の繁殖がしっかりと行われておらず、20世紀の初めには、食糧不足などが関係して、猫がペットとして飼育できなくなってしまいました。
ヨーロッパやアメリカでは、猫はペットとして多くの国民に愛されていましたが、当時のロシアでは猫が愛玩動物であるという認識がなかったようです。
そんなロシアでブリーディングが行われるようになったのは、1980年代になってからのことでした。サイベリアンを種として確立させるべく、コトフェイ・キャット・クラブを立ち上げ、1987年にサンクトペテルブルクで、初のキャットショーが行われました。
1990年にアメリカにサイベリアンが渡り、イギリスでは2002年からブリーディングが行われるようになりました。今では、アメリカやヨーロッパ、日本でもサイベリアンが人々に愛されています。
サイベリアンの値段価格
サイベリアンは、ペットショップやブリーダーから入手することができます。
サイベリアンの価格は、ペットショップでは約25〜30万円です。ブリーダーから迎える場合は、22〜35万円ほどが相場となっています。
サイベリアンは、日本でもよく知られている猫なので、ペットショップでも見かけることが多いです。毛色もパターンもバリエーションに富んだ個性的な子猫がたくさんいますので、ペットショップに足を運んで、気になる子を見つけてみてください。
サイベリアンは、人とコミュニケーションを取ることが好きで、小さい子どもに対しても忍耐力があります。遊ぶことが大好きで、飼い主さんの帰りを玄関で出迎えたり、ボールを取ってくるなど犬のような一面もあります。
家族としてサイベリアンを迎えたときには、喜びや楽しみを一緒に共有できる素敵なパートナーになることでしょう。サイベリアンを飼いたいと思われた方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。